ここ数年、所有物を減らしてシンプルな生活をするのが一種のブームになっている。書店には整理術や収納術の本が並び、セミナーも盛況だ。

 試しに自宅の収納スペースを思い浮かべてほしい。すぐに必要な物は案外少ないのではないだろうか。オフシーズンの衣類や家電、レジャー用品、趣味のコレクション、書籍など、今は不要だけど、いずれ必要な時が来るかもしれない。そんな物に囲まれて生活してはいないだろうか。

 自宅に余裕があれば、物置を設置するなど対処法はいろいろあるが、都市部のマンション住まいになると、場所は限られている。特にワンルーム住まいの単身者は収納に苦慮しているのが現実だ。そういう場合はトランクルームを使うことも多いだろう。最近ではトランクルーム検索サイト・アットトランクなど便利なサービスも増えている。

 従来型のトランクルームは、単なる場所の提供だ。都内だと1畳のスペースで月額1万円が相場。ただ、大半の施設では、利用者が保管物を現地へ持っていかねばならない。自家用車があればいいが、そうでない場合は往復の交通費もバカにならない。

預けた荷物が必要になれば、スマホで指示を出すだけで自宅まで届けてくれるサービスも。サマリーポケットは、単なる保管スペース機能を超えた、使い勝手の良さがウリのトランクルームだ

 そして、トランクルームでネックになるのが、何を保管したのかを忘れてしまうことだ。大事な物だから覚えているだろうと思われるが、数が増えると記憶は曖昧になる。といって保管物のリストを作成するのは面倒なものである。

 業界側も利用者の声を受けて様々なサービスを打ち出している。その一つが、Sumally Pocket(サマリーポケット)という新しいタイプのトランクルーム。サマリーポケットには、用途別に3種類の保管箱が用意されている。アプリ上から箱の送付を依頼し(送料無料)、保管したい物を詰め、日付を指定して集荷を依頼する。既に住所記載済みの同梱の着払い伝票を貼り付け、やってきた配送業者に箱を渡すだけで、ユーザー側の作業は完了する。すべてスマホで完結されるように設計されており、使い勝手がよい。

 倉庫に届いたダンボール箱の中身は1点1点撮影される。完了したら、アプリ上で画像の閲覧が可能になる仕組みだ。いわば「配送とデータベース化付き」のトランクルームである。