Jリーグは2015年シーズンの総決算の時を迎えた。

 J1は28日にチャンピオンシップ準決勝が行われ、第1ステージ優勝&年間勝点2位の浦和と年間勝点3位のガンバ大阪が対戦。激戦を制したガンバ大阪が第2ステージ優勝&年間勝点1位の広島とホーム&アウェー(12月2日と5日)の決勝を行う。

 J2は29日にリーグ戦3位~6位の4クラブによるプレーオフ準決勝が行われ、勝ち残った福岡とセレッソ大阪がJ1昇格をかけた1発勝負、決勝(12月6日)に臨む。

 また、29日にはJ2とJ3の入れ替え戦の第1戦も行われた。J2・21位の大分とJ3・2位の町田が対戦し、町田が2-1で先勝。12月6日の第2戦で両クラブが来季、J2、J3どちらのリーグで戦うかが決まる。

J1CS準決勝は浦和×ガンバは
数センチの差が明暗を分ける

 先週末の試合で見ごたえがあったのは、やはりJ1チャンピオンシップ準決勝、浦和―ガンバ大阪戦だ。2005年から昨年までの10年間はシーズンを通して優勝を決める方式だったが、今季から2シーズン制+チャンピオンシップが復活した。短期のリーグ戦なら、より多くのクラブに優勝の可能性が生まれるし、最後に年間優勝を決めるチャンピオンシップを行なうことで注目度が高まるからだ。

 浦和の第1ステージ優勝も立派なタイトルだが、選手としては欲しいのは年間優勝の称号。ガンバ大阪にしてもステージ優勝こそ逃したが、勝点を積み重ね最後は競り合っていたFC東京をわずかに上まわって獲得したチャンピオンシップ挑戦権だ。両クラブの選手にとっては、これまでの頑張りも含めて絶対に落とせない一戦であり、闘志をぶつけ合うような激闘になった。

 試合を通して押していたのは浦和。決定的なシーンは何度もつくったが、ガンバの体を張った守りやGK東口の好セーブがあって、ゴールを奪うことができない。1-1で90分が終わり、延長も後半終了間際、PK戦の雰囲気が漂い始めた時にドラマがあった。ガンバDF丹羽のバックパスがGKの頭上を越え、オウンゴールかと思われた。が、ゴールポストに救われ、そこからガンバが逆襲。一気に浦和ゴール前まで攻め上がり、米倉のクロスを藤春がギリギリのコースに決めた。もし、バックパスが数センチずれてオウンゴールになっていたら、浦和が勝っただろう。また、藤春のゴールも数センチずれていたら入っていなかったはず。数センチの差が両チームの明暗を試合の最後で分けたのだ。