HAKUTOを運営するispace社は、日本橋三越本店、丸紅情報システムズと相次いでコーポレートパートナー契約を締結した。三越日本橋本店は、HAKUTOを応援する交通広告の継続掲載を行うほか、月面探査ローバーを操縦できる参加型イベントを実施している。丸紅情報システムズは3Dプリンタと3Dスキャナの技術の支援を行う。Zoffと日本航空ともコーポレートパートナー契約を締結した。

 同社のビジネスモデルは、Google Lunar XPRIZEという賞金レースに出場するHAKUTOに対して、企業からスポンサー契約を得るものだ。このビジネスモデルはF1レースに類似している。F1カーと同様、月面探査ローバーという技術力を結集した魅力のあるハードウェアやコンテンツを軸に、様々な企業からスポンサー契約をしてもらい、レースに挑み賞金獲得を狙うのである。一方、スポンサー企業はそのハードウェアやコンテンツに紐付けて自社の広告・宣伝を展開し、ブランディング、イメージアップなどを図る構造である。

 宇宙ビジネスの多くは、大きな資金を必要とすることから、なかなか参入が難しい。HAKUTOが展開するビジネスモデルを真似たり、応用したりする企業が多く出ることを期待する。

“宇宙ゴミ”を除去してクリーンに!
スペースデブリ対策に取り組むベンチャー企業

 アストロスケール(ASTROSCALE)社は、数多くのスペースデブリ(*2)が存在する宇宙環境をクリーンにするという、社会貢献度の高いビジネスを構想するベンチャー企業だ。

 コンセプトは、母機となる衛星から子機の小型衛星を射出し、除外対象の大型デブリに接着させて軌道を変え、1日程度で大気圏へ突入、燃え尽きさせるというものである。2017年に実証実験機打ち上げを予定しており、2016年後半には前段階として微小デブリ計測衛星を打ち上げる計画だ。

 スペースデブリの数は膨大であり、自国、企業が保有する衛星を保護したいという観点からビジネスの成立性はあるようだ。妨害する衛星を見付ける、追跡する、他国の衛星の動作からミッションを推定する、といった国の安全保障面でのビジネス展開も考えられる。

デブリ対策衛星の実証実験機(左)と将来構想(右)。母機の衛星(Mother)からから子機(Boy)を射出する
出所:ASTROSCALE
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(*2)スペースデブリ:役割を終えたり故障したりした衛星・ロケットやその部品、破片などの「宇宙ゴミ」。非常に高速で地球周回軌道を回っており、微小な破片でも人工衛星や宇宙ステーションに衝突すると大きな被害をもたらす。各国の宇宙利用の拡大とともに急増しており、大きな問題となっている。