40代という「出世の10年」を経て
会社の内外で認められる人材に
いよいよ40代であるが、この年代は、会社の中で自分の運命を大きく変える、極めて重要な10年だと思う。私はこの10年間を「出世の10年」と呼んでいる。
「出世かよ?」と思っただろうか。出世の亡者になる、と考えたならそれは早とちりだ。私の言う「出世」は仏教用語のそれだ。仏教用語の出世には二つの意味がある。一つは「俗世の煩悩から解脱して悟りを得る」こと、もう一つが「諸仏が衆生を救うためにこの世に現れる」ことだ。
私なりに、この二つの意味を合わせてビジネスの言葉に変えてみると、次のようになる。「会社の枠を超えて、世の中に価値を生むような仕事をすること」である。
つまり40代になったら、会社の中だけに留まっているのでは足りない。会社の外から見て、「どこどこ会社に誰々さんあり」と言われるようにならなければダメだ。そのためには当然、自分が中心的な役割を担って、会社の外からも見えるような仕事をしなければいけない。そうなれば、会社の内外から期待される存在になり得る。
会社の外からも見える、それだけの仕事をするために絶対に欠かせないのがリーダーシップだ。さらに巻き込んだ人々をチームとしてまとめてあげ、成果を出すためのマネジメント力である。そうした力を使って、会社内の役職とは関係なく、社の内外のメンバーをオーガナイズしなければ、広く認められる仕事を成し遂げることは絶対できない。
そして、40代の終わりまでに「どこどこ会社に誰々さんあり」と言われるようになる。転職しなくても、独立しなくても、会社の外の人から認知される存在になることが必要だ。
そうなって初めて、正当なマーケットプライスもついてくる。当然転職もしやすくなるし、独立もしやすくなる。しかしここでは、それでもなお、会社に留まるとしよう。