日本の場合は、個人の海外決済(振込)の需要がそれほどあるとは思えない。海外のウエブサイトの買い物は一般的にクレジットカードで、手数料ゼロで行われるし、個人での決済(送金)のニーズはどれほどのケースがあるのであろうか。

 先に上げた、M-ペサにしても、国内決済が主戦場であることが違う。日本では国内決済への影響は大きいとは認識できない。

(3)法人の決済業務

 今後のフィンテックは海外決済が主戦場となる。銀行は伝統的な銀行間契約に基づいた銀行間のネットワークに基づき決済を行う。しかし、今回のフィンテックの決済サービスは法人を対象としないものが多い。いうなれば、法人決済の部分に参入する可能性は低く、海外法人決済への影響は少ないということになる。

 しかし、銀行経由の海外決済には時間がかかる、手数料が高い、手間が面倒といった場合には、銀行の取引から抜けていく可能性も否定できず、決済の高度化は必要不可欠である。

 フィンテックへの対抗として、海外の決済ネットワークSWIFT(スイフト)を中心として法人決済の分野を早期化など強化しよう動きもあるが、それはフィンテックの対応というよりもいままでの流れの延長であるに過ぎない。逆にSWIFTは主として銀行間の決済が主力であり、個人決済の分野には手が届かない。

(4)ブロックチェーン技術と銀行

 ブロックチェーン技術の特徴は“ネットワーク全体”で決済情報を“共有”する。そもそも、この公開性の部分が、現在の銀行決済には合わない。いままで、決済(為替)は、そもそも顧客は銀行に依頼し、銀行間でしか決済ができない。銀行は口座の情報を管理し、法的にも確認作業も行っている。その顧客口座の決済をネットワーク全体で共有するということ自体が、口座情報も外に出すことを意味し、考えられない。

 つまりブロックチェーン技術は、仮想通貨を使った銀行や決済システム外しの決済ということができる。そのため、銀行が取り込める可能性は低い。つまり、銀行の外で対応する必要があるのである。