刃物は親の許可を得てから

 また、刃物は必ず親の許可を得てから持たせるようにします。

「ハサミを使うときには、ママに言ってからよ」と、無断で刃物を使うことを禁じます。

 ハサミやナイフを持った手の位置だけでなく、刃物を持たないほうの手の位置などもよく見て、あわてずに切らせます。

紙を一度切ると、もとに戻らないことも教えます。切ったらどうなるか、切ったあとのイメージを「本当にここを切っていいのね?」と念を押してやりながら切らせます。ひと声かけることで、もう一度注意を促し、落ち着かせます。

 もし肌を傷つけても、親が注意していると、さほどの傷になりませんし、少々血が出ても親のそばなら処置も早くできます。

 鋭利な刃物での傷なら傷口を上から押さえず、傷口をくっつけるように周囲から皮膚をよせて、止血するまで固定しておきます。

刃物の危険さと便利さも、
同時に教える

「我慢できたら、我慢しなさい」と泣かさず、失敗を反すうさせるのもよいことです。

 親の注視のもとで刃物は使う。親もゆっくり見てやり、教えられるときに、ちゃんとした持ち方、気の配り方を教えます。

 切れ味に応じた力の入れ方をしなくてはならないことを、少しの力でもよく切れる刃物で覚えさせます。

大人でも切りにくいハサミやナイフを力まかせに切ることから、刃物使いのスタートをさせてはいけないのです。

刃物の危険さと便利さも、同時に教えます。

 これは、親がそばについていて教えるべきことです。ケガをしないハサミ、どちらの手でも持てるハサミなど、刃物をうまく使うための練習用のものではありません。

 特に他人を傷つけないことを主として考えられている、よく切れる本物の刃物だからこそ、放りっぱなしにしてはいけない、刃を外へ向けて渡さない、動かさない──ことなどを教えられるのです。