個別銘柄は
時価総額の大きい企業に注目

 個別銘柄の物色動向としては時価総額が大きくて流動性の高い銘柄群の値動き。外国人投資家やGPIF(年金)などの大口投資家はTOPIXベンチマーク(投資基準)が多く、時価総額上位30(コア30)やラージ70(次位の70銘柄)の値動きに注目が集まる。

 特に時価総額首位のトヨタ自動車は世界でビジネス展開しているだけに、株価の動向は全般を反映するものになる可能性がある。

 年初から大荒れの株式市場にあって、フィンテック(金融とITの融合)関連や、バイオ、自動運転、ロボット関連の一角などが人気化している。年初の活況はその年のテーマを示唆することも多く、注目しておきたい。

 フィンテックではブロックチェーンといわれる。ブロックチェーンとは暗号技術と、ネットワーク上で対等な関係にある端末間を相互に直接接続してデータを送受信する通信方式(P2P)を組み合わせたもの。応用すると、データの改ざんをほぼ不可能にしたデータベースができる。ビットコインに代表される仮想通貨の信頼性、決済機能を支える基盤技術である。

 さくらインターネットやインフォテリアなどが先駆し、やや過熱感も台頭しているが大手のソフト企業にまで裾野が広がるかがポイントか。関連して、IoT(モノのインターネット)、ロボットなど生活の向上に役立つ技術を手がけている企業にも関心が集まると思われる。

 バイオでは小野薬品工業の抗がん剤「オプジーボ」を筆頭に日本が開発の主体となっている薬剤に注目が集まっている。オプジーボは人間の免疫に働きかけてがんを攻撃するという新しいアプローチで、効き目に優れ副作用が少ないとして利用者が急増している。株価は昨年末にかけて2万2400円という史上最高値をつけている。

 日本では有望な新薬について早期に実用化を目指す「先駆け審査制度」が15年に導入された。米国でも同様のFDA(米食品医薬品局)がブレークスルーセラピー(画期的新薬指定)を設けており、「オプジーボ」はこの指定を受けている。

 先駆け審査制度に指定されているのは塩野義薬(4507)のインフルエンザが1日で治る特効薬、日本新薬(4516)の筋ジストロフィー薬、アステラス薬(4503)の急性骨髄性白血病治療薬など、ブレークスルーセラピーでは第一三共(4568)、エーザイ(4523)の抗がん剤などが指定されている。再生医療関連にも認可されるものが出始めている。創薬ベンチャーについてもチェックしておきたい。

 また、外部環境に左右されにくい、内需関連銘柄にも注目が集まる可能性がある。特に2020年の東京五輪、2027年開業予定のリニア新幹線に向けたインフラの整備や補修などに関心が高まる可能性がある。主力は大手ゼネコンだが、周辺企業にもビジネスチャンスは大きい。

 リニアでは大成建設(1801)、錢高組(1811)がJV(ジョイントベンチャー)で受注。トンネル工事の大豊建(1822)、熊谷組(1861)などにも今後チャンスがあると見られる。国土交通省は15年12月に老朽化した新幹線のインフラ改修などを求める決定を行った。東北新幹線、上越新幹線、山陽新幹線で、運行の安全のために、橋梁やトンネルなどでの補修を促している。