留意点(5)個々のメンバーのその後の自由に関する合意
いつまでグループを維持するのか合意しておく

 グループ転職の場合、いつまでそのグループを維持するのかについて、転職を決める段階である程度の合意を形成しておくことが望ましい。グループのメンバーが、仕事上相互に依存し合う関係にあるので、一定の期間と範囲にあって協力することの合意は必要だが、他方で、一人一人がいつまでも自由を拘束されるような人間関係は窮屈だ。

 例えば、「転職後2年間は、よほどの問題がない限り一緒にやろう。だが、その後は、個々のメンバーの身の振り方は原則として自由だとしておこう」といった大まかな合意が事前に形成できるといい。

 SMAPのメンバーは、グループの相乗効果もあるが、個々のメンバーが、俳優、司会者、歌手、バラエティタレントなど、個人としての活動領域と商品価値を持っているので、一人ひとりはグループに全面的に依存している訳ではない。この点で、グループ転職単位としてのSMAPは、転職後の合意を形成しやすい人間関係だと言えそうだ。

 グループ転職の問題としてSMAP問題を検討してみると、SMAPはこの点については、グループ転職向きの条件を備えていると言える。

 しかし、そうだとしても、転職後にチームで前と同じ要領で仕事ができる、グループ転職の長所は、全員でまとめて転職しないと実現できない。

 転職する側のあれこれを見ると、今回のSMAP問題は、グループ転職の案件としては、準備と検討が不足していたように見える。職種がアイドルだとはいえ、SMAPのメンバーは、中年のベテランビジネスマンでもある。いささか慎重さを欠いたのではないか。

 グループ転職を検討するビジネスパーソンにとっては、教訓として参考にすべき事例に属するだろう。