業界一の食品リサイクル業者も
わずか6年で倒産!

 その代表が、食品リサイクル大手アグリガイアシステムだ。03年に本格稼働したこの会社は、セブン-イレブンの廃棄弁当を受け入れて飼料化するビジネスモデルを確立し、当時では業界一といわれた処理能力もあって環境ベンチャーの旗手として注目を集め、環境省や農水省からも交付金がでていた。

 そのアグリガイアシステムが09年、あっさりと倒産した。食の循環、環境ビジネス、など威勢のいい言葉で喧伝されていたが、蓋を開ければ、食品残渣の回収率が思うほど伸びず、採算が悪化していたのだ。

 大手ですらこの調子である。愛知県の中堅企業がかなり苦しい立場に追いやられていたというのは、容易に想像できる。1月24日の「朝日新聞」では、10年ごろにダイコーに大手食品メーカーの契約を奪われたという同業者が登場し、ダイコーが相場の7割程度の委託料だったと証言している。回収率があがらなければ、アグリガイアシステムの二の舞になる。この時期、中小の食品リサイクル業者がチキンレースのような「値下げ合戦」をおこなっていたことを示すエピソードだ。

 回収料を下げ過ぎたので経営が苦しくなって不正へ走ったのか。あるいは、すでに不正をおこなう腹づもりで、破格の回収料で廃棄食品を仕入れていたのか。真相はわからないが、大西会長が青息吐息だったことだけは間違いない。

 経営が傾いた企業には、さまざまな人間が接近してくる。なかには、先ほど触れた「廃棄食品ブローカー」のような輩もいたのではないか。

 今回の不正がこれまでの産地偽装などと異なるのは、「食品リサイクル」と「食品流通」という2つの大きな闇が横たわっている点だ。

 蜘蛛の巣のように張り巡らされた流通経路のなかで、「黒幕」までたどりつくのは容易なことではない。愛知県警の奮闘に期待したい。