ビジネス書でいちばんつくりたかった本
編集 ただ、刊行から8年経ち、かなうならば、もっと薄くて手軽に読める神田メソッドの「公式集」がほしかった。
団塊ジュニア世代の私自身、大学受験は『土屋の古文単語222』『土屋の古文公式222』『英語の構文150』などの定番書で突破しましたが、なぜ、あのような「公式集」が書店のマーケティングやコピーライティング棚にないんだろう? と常々疑問に思ってきました。
そこで神田さんにお願いし、比喩と「一語違い」の対比の妙が効いた「売れる公式41」を収録。あわせて、神田さんが開発して以来17年間、まったく書籍化されてこなかった「PASONAの法則」がパワーアップ&バージョンアップして、「新・PASONAの法則」として初登場!
まさに、『稼ぐ言葉の法則』は、私がビジネス書でいちばんつくりたかった本かもしれません。
神田 そうだったのですか。
編集 はい。「薄いのに深い! 面白い! 役立つ! 公式集」を!
神田 本は現場で悩んでいる読者の代弁者であるべきですね。
でも、私はずっと、「マーケッター」という概念が誤解されている、と思ってきました。
本来、マーケッターとは、顧客にフォーカスし、チームを動かすリーダーシップを発揮すべき人たちなのに、現実はそうでない。個々人が机の上でコピーライティングを駆使し、テクニック的に問題を解決しているような人も多い。でも、これからの時代、マーケッターには「チームの力」「チームワーク」が欠かせない。これはマーケッターだけでなく、ビジネスパーソンもそうです。
ズバリ、2016年のキーワードは
「チームワーク」
編集 「チームワーク」こそがカギだと。
神田 はい。ズバリ、2016年は「チームワークがすべて」の時代になります。新商品を開発するときも、社内の開発チーム、上司、管理部隊など、リーダーがチームワークよく活躍できるかが事業の成否を決めます。
その意味で、今回の『稼ぐ言葉の法則』では、「【貧す人】vs【稼ぐ人】売れる公式41」の中で、「マーケティング・ピラミッド」という概念を紹介しました。30ページほど原稿を書いて寺田さんに提出したのですが……。
編集 ただ、一読して、これはこの本には適さないのではないかと直感しました。
神田 そうでしたね。実は、ここがすごく言いたかった! でも、それはとっても抽象的で難しい! ということで、結局収録を断念しました。
編集 ただ、神田さんのご厚意で、なんとPDFで希望者にプレゼントすることが決まったんですよね。
神田 はい。詳しくは、書籍にURLを掲載したので、そこからお申込みください。
「マーケティング・ピラミッド」の要は、1.核となるビジネスモデルをつくるステージ→2.応援者を集めるメッセージをつくるステージ→3.強力なリーダーシップを現すステージの3つの層をピラミッド化。
これにより、1.個人の歪み、2.社会の歪み、3.思考の歪み、4.行動の歪みが整えられ、バランスの取れた形で顧客への情報発信が行われ、結果としてバランスのよい社会が生まれることになるのです。
編集 なかなか深淵な概念ですが、読まれると必ず気づきがある内容を無料特典にされるなんて、うれしい限りです。
神田 『稼ぐ言葉の法則』は、いわば、コンロや囲炉裏、「炉」の役割をする本です。何年も、何十年も、いや何百年にもわたって火が燃え続けるには、「炉」が必要。ビジネスパーソンも、ヒット商品を出し続けて長期的に活躍するには、「炉」が絶対必要です。その炉を、本書を活用しながら、ぜひ開発していただきたい。
【売れる公式41】は一見軽そうに見えますが、その思想、設計は極めて深遠なものになっています。よろしければぜひお読みいただけると幸いです。
編集 そうですね。きたる4月2日(土)14時からは、伝統ある新宿の紀伊國屋ホールにて、本書の出版記念講演会が開催されます(→お申込は巻末参照)。あの年輪が刻まれた異空間は、本書と神田さんにぴったりだと思います。本当に楽しみです。有り難うございました。