小山 「経営の3種の神器」――【現場】【環境整備】【経営計画書】にフォーカスした指導をしているからです。
私の数ある書籍の中で『1日36万円のかばん持ち』は、このうちの「現場」を初めて取り上げたものですが、本書は「経営の3種の神器」のエッセンスを1冊にとじ込めた経営の「オール・イン・ワンブック」としても活用できます。
記者 それはお買い得ですね。パラパラめくると、気になるのが、「三流と、二流と、一流は、何が違うのか?」
小山 これも初の試みです。600社超の社長と、歌舞伎町一の高級クラブ、銀座久兵衛本店、パチンコ実践塾、ワインバーなど、数々の夜の宴と昼の現場研修の結果、三流、二流、一流の違いは、ほんのわずかな「着眼点」ということに気づきました。
記者 ほんのわずかな「着眼点」とは?
小山 たとえば、「お金」の話。
三流は、「借金は悪」と考える。
二流は、「時には借金は必要」と考え、「すぐに返す」。
一流は、「とことん限界まで」借り、「なかなか返さない」。
記者 何ですか? その対比は! 面白いですね。でも、「借金は悪」「無借金経営こそ正しい」と思っている経営者、多いのではないですか?
小山 そうなんです。ですから、「かばん持ち」の社長たちと、朝9時前のシャッターが開く前から銀行訪問に行って、「無借金経営がいかに悪か」を体感させます。
記者 シャッター前から? なぜ、「借金は悪」なのですか?
小山 詳しくは、『1日36万円のかばん持ち』に詳細に書きました。「心得11」を見てください。ここには、「繰り上げ返済をしてはいけない3つの理由」も書いてあります。
記者 どんなことが書いてあるか気になりますね。
あと、「三流、二流、一流」で気になったのがコレ。
◆三流は、「よいこと」にこだわる。
◆二流は、「損得」にこだわる。
◆一流は、「成果」にこだわる。
いやー、耳の痛い比較ですね。
小山 人間はついつい「よいこと」ばかりに目が行き、「成果」に目が行かなくなる。でも、業績がいい会社は、「成果」の出ていることにとことんリソースをつぎ込んでいる。この差は大きい。
記者 「こだわる」ところが、一語違うだけで受ける印象が違うものですね。
あと気になるのが、コレ。
◆三流は、売上「額」が第一。
◆二流は、利益「率」が第一。
◆一流は、利益「額」が第一。
小山 広島ガス高田販売(住吉峰男社長)は、2014年度「日本経営品質賞」の「経営革新奨励賞」に選ばれましたが、「額より率」を信じ込んでいた住吉社長に、「率より額」を実感してもらうために、私は「かばん持ち」でこんな仕掛けをしました。私は、ランチやディナーの支払金額をジャンケン決めるのですが、「9割」の確率で負けたのに、「9割の金額」を獲得しました。なぜだかわかりますか?
記者 さっぱりわかりません。
小山 『1日36万円のかばん持ち』の「率は主観、額は客観」の【心得30】を見てください。
記者 気になった最後が、コレ!
◆三流は、出されたコーヒーを「ゆっくり」飲む。
◆二流は、出されたコーヒーを「急いで」飲む。
◆一流は、出されたコーヒーを「飲まない」。
どんな内容か気になりますね。
小山 こちらは【心得13】(『1日36万円のかばん持ち』108ページ)を見てください。
記者 楽しみですね。2回にわたる取材、とても楽しかったです。有り難うございました。