よい食べ物も睡眠も
とり過ぎてはダメな理由

 次に「食事」についてはどうだろう。

 身体を温める食材を摂る以外では、何が重要か。それは「過ぎたるは及ばざるがごとし」。どんなものでも摂りすぎに注意する必要があるという。

「身体にいい食品に関して一番有名な研究で、カボチャやにんじんに含まれる『β-カロテン』というビタミンの実験があります。試験管やネズミの研究では、β-カロテンを摂ると、がんが発生しなくなるというデータが出たのですが、これを受けてβ-カロテンを3倍量飲ませた治験を行うと、肺がんの発生率が3倍に増えたというのです。よかれと思って摂取しているものも、このように摂りすぎるとかえって病気を引き起こしてしまうこともあるのです」(今津医師)

 健康にいいと言われているサプリメントやトクホなども同様。これらはあくまでも「食品」。どんなに摂っても病気を治すことはできないし、同じものを食べ過ぎれば病気になる確率も高くなってしまう。だからこそ、どれか1つのものを摂るよりも、バランス良く、自分に合った食生活を心がけることが重要なのだ。

 そして、健康でいるために最も重要なのが「睡眠」だ。日本人の平均睡眠時間は7~8時間だが、長く寝れば寝るほどいいかと言えば、そうでもないのだという。睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」「中途覚醒」の3種類がある。レム睡眠は、身体は眠っているのに脳は起きている状態、つまり夢を見たり寝返りを打ったりしている状態を言い、ノンレム睡眠は深い睡眠で脳も休息している状態、中途覚醒は途中で眼が覚めてしまうことだ。この3つを組み合わせて、私たちは睡眠を取っている。

「健康寿命を延ばすには、ノンレム睡眠を増やす必要があります。ノンレム睡眠には、心と体を休めること、記憶することと忘れること、成長ホルモンを分泌する、免疫力を上げるという4つの役割があります。とはいえ、睡眠時間が長すぎるのもNG。平均的な睡眠時間7~8時間の人に比べると、5時間未満の人は糖尿病になる確率が2倍以上になり、9時間以上だと1.8倍になるというデータもあるのです」(今津医師)