清原の薬物依存に見る、自信が折れてゆくメカニズム 元自衛隊メンタル教官が解説自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法 下園壮太著 定価:1,404円(税込)

 清原逮捕のニュースは、世間にさまざまな反応を生んだ。加えて清原の派手で威嚇的な言動の背景には、彼の「自信のなさ」があったと指摘する声も多い。清原自身もそのようなことをたびたび口にしていたという。

 しかしデビューからすさまじい実績を上げ、地位もお金もある清原が、なぜ自信をなくし薬物に落ちてしまったのだろうか。

 『自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』の著者で、優秀でマッチョが多い自衛隊員の心に詳しい下園壮太氏は、薬物と自信のなさには大きな関係があると指摘する。

自信には「3つの自信」がある

 まず清原容疑者の自信のなさについて考えてみましょう。

清原の薬物依存に見る、自信が折れてゆくメカニズム 元自衛隊メンタル教官が解説3つの自信(『自衛隊メンタル教官が教えてきた 自信がある人に変わるたった1つの方法』より)
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 私は自信を3つの種類に分けています。第1の自信は「“できる”という自信」で、実社会での成果と直接的に関係します。

 ただ、“できる”自信だけでは乗り越えられない問題もあります。例えば、急に環境が変わり、今までとはまったく違う手段で道を切り開いていかなければならなくなった場合です。その時に「まだまだ、やれる」と思えるために必要なのが、第2、第3の自信です。

 第2の自信は「自分の体力や生き方に対する自信」。健康で丈夫な体と、これまで乗り越えてきた経験値さえあれば、環境が変わってもなんとかやっていけます。ところが、大けがを負ったり、大病をしたりすると、この自信が大きく揺らぎます。自分はこの社会で生き抜いていけないのでは、という不安に苛まれるのです。

 しかしそんな時でも、守ってくれる家族や仲間がいれば、何とか生きていくことはできます。「守ってくれる仲間がいる、愛されている、必要とされている」と感じられることが、第3の自信です。