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マーケットが見える!人のココロをつかむセオリー

就活生必見。広告会社が求める新デザイン力

日本のマーケティングにいよいよ大変革期が

藤田康人 [インテグレート代表取締役CEO]
【第96回】 2016年3月22日
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アメリカで主導権を
握る「デザイン会社」

 中でも、今アメリカで注目されているのは、IT系デジタル専業エージェンシーの台頭です。彼らは、ビジネス全体のプロセスを設計し、ビジネス上の課題を浮き彫りにして解決策を導く「課題解決プロセスのデザイン」を得意とします。

 例えば、2014年に発足したIBMインタラクティブ・エクスペリエンス(IBMiX)は、1000人規模の(課題解決プロセスの)デザイナーを抱える、世界最大級のデジタル・エージェンシーで、従来のコンサルティングやシステム構築のみならず、多岐に渡る業務を受託しています。

 その他のコンサルティングファームも、2013年にはアクセンチュアが、デジタルデザインコンサルタントのFjordを買収し、2015年には、マッキンゼー&カンパニーが、シリコンバレーで最も歴史のあるデザインコンサルタントの一つであるLunarを買収しました。

 片や日本では、電通、博報堂の大手総合広告会社2社が、テレビ関係の売り上げを中心に、圧倒的な日本の広告売上のシェアを保っている状況は、昔と変わりません。

 ところがそんな日本でも、最近、少しずつ新しい動きが出てきました。

 博報堂DYホールディングスは2月、アメリカのIDEO LP(IDEO社)の株式のうち、30%の持分を取得したと発表しました。

 IDEO社は、幅広い領域でデザインコンサルティング業務を展開、アメリカの『Business Week』で、3年連続「世界で最もイノベーティブな企業」に選出された実績もあり、アップルやサムスンなどを主な顧客に持つ、デザイン領域ではグローバルで名の知れた大手企業です。

 これまで、日本の広告会社が実はあまりやったことのない、課題解決プロセスのデザインを手掛けるには、プロフェッショナルの力を外から取り込むしかありません。さもなくば、コンサルティングファームなどと互角に戦っていくことは困難でしょう。

 広告・マーケティング業界では今、総合格闘技のごとく、異なるタイプの得意技を持つ専門性の高い企業同士の熾烈な戦いが始まりました。今後、この業界を担おうとする若い人たちには、変革期にある今と、近い将来の姿を正しく理解し、自分の力を存分に発揮するためのスタートラインに着いていただきたいと願って止みません。

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藤田康人
[インテグレート代表取締役CEO]

慶應義塾大学を卒業後、味の素株式会社を経て、92年、フィンランド人の社長と二人でザイロフィン ファーイースト社(現ダニスコジャパン)を設立。素材メーカーの立場から キシリトール・ブームを仕掛け、キシリトール製品市場はゼロから2000億円規模へと成長。07年、株式会社インテグレートを設立し、代表取締役CEOに就任。著書に『どう伝わったら、買いたくなるか』『99.9%成功するしかけ』 『漂流する広告・メディア』講演活動も行っている。integrateGroupウェブサイト:http://www.itgr.co.jp/

マーケットが見える!人のココロをつかむセオリー

インターネットなど双方向メディアの普及に伴い、従来の広告メッセージが届きにくい時代になったと言われます。どんな方法なら消費者とのコミュニケーションが成立するのか。「次世代IMC」を掲げる注目のマーケティング企業CEOがその極意を伝授します。

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