現在は福利厚生費の削減により、住居費を手厚くサポートをする企業は大幅に減っている。新社会人の給料で、家賃を全額払いながら奨学金の返済をし続けるのは簡単なことではない。返済を優先すると、貯蓄がまったくできなくなるだろう。

奨学金返済延滞者は、
借りる段階から「返す」認識が低い?

 興味深い調査データを見つけたので、まずはグラフを見てほしい。

◆図表(1) 奨学金の返還義務を知った時期(択一)

「奨学金の返還義務を知った時期はいつか」という質問に、「申込手続きを行う前に知っていた」と回答したのが、無延滞者は90.3%であるのに対し、延滞者は49.5%に留まる。延滞する人としない人では、申し込み段階ですでに認識に大きな開きがある。延滞する人の半数は申し込み段階で「借りたら、返す」ことを知らなかったというのか。この結果には驚いた。

 では延滞者は、「借りたら、返す」ことをいつ知ったのか。「申込手続き中」は、わずか12.9%で、「貸与中、貸与終了時、返済開始前」に知った人が15.1%、「返済開始~督促前、延滞督促を受けてから」が14.8%と、借りてから知ったという人が約30%もいる。申し込む前に知らなくても、「申込手続中」にはわかりそうなものだと思うのだが…。

 大きな認識の差がなぜあるのか。もう一つのグラフにヒントがあるような気がする。

◆図表② 奨学金申請時の書類作成者(択一)

「奨学金申請時の書類作成者」という質問の回答も興味深い。

 無延滞者の場合、55.4%が「奨学生本人」が書類を書き、「親」は19.7%に留まる。ところが、延滞者は「親」が37.7%で、「奨学生本人」は33.6%という結果だ。