紙にも「縦目」と「横目」がある

 もし、テープを自分でつくろうとしたら、お母さんはテープをつくる高度な手の動きができるようになったと判断し、しっかり教えてください。紙にも縦目と横目があり、さきやすい方向があります。

 また、あらかじめ折ってあげて、破りやすくしないと破れない紙もあります。

 お母さんはいろいろな紙を使って、テープをつくってあげてください。

 この遊びは、手を器用に動かすための働きかけですが、テープでどう遊ぶかは、お母さんの誘導次第です。
 うまくお子さんが遊びに入り込み、長く興味が続くようにしてあげてください。

久保田 競
(Kisou Kubota)
1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。

 お母さんの行動をマネることで、徐々に覚えていきます。

 お母さんも遊び好きになってください。
 器用な手にするためには、楽しい遊びの中でどんどん働きかけます。

 このころには、「好き」「さほど好きでない」「全然興味ない」など、お子さんの好みの特徴も出てきます。

≪競博士のひと言≫

 手を器用に動かすときには、運動前野(6野)が働いていますが、不器用な動かし方では働きません。

 器用に動かせるようにするには、お母さんも一緒に遊んで、手の動きを見せて、マネをして破らせます。

 運動前野の外側部には、鏡かがみ神経細胞(ミラーニューロン)があり、人のマネをするときに働き、器用に手を動かすのを助けます。
 手を器用に動かすときには、運動前野の神経細胞が働きますが、お母さんの手の動きを見ているだけでも、子どもの手は動きやすくなります。
破るのをマネて手を動かすと、早く上手に破れるようになるのです。