歩いてコンビニに行けない!
全高齢者の6割が「コンビニ難民」に

 詳しい解説は書籍に譲るが、調査では、日本全国1896市区町村のうち、対象とするコンビニグループの店舗が1店も立地しないのは、分析時点で141市町村もあることがわかった。また、最寄りのコンビニに徒歩で容易にアクセスできる一定距離(300m圏=分速60mと仮定した場合の徒歩5分、往復10分圏)内に居住する高齢者の割合は、日本全国で39%に過ぎないこともわかった。逆に言うと、全高齢者の6割程度が、徒歩によるコンビニへのアクセスに不便を感じる「コンビニ難民」と推計される。

 ただし、その地域格差は大きい。東京23区においては、なんと高齢者の86%が最寄りのコンビニから300m圏に居住していることになる。実際、東京23区では、あるコンビニから別の最寄りのコンビニまでの距離は、たった119m程度に過ぎない。この数値は、あなたが23区内でコンビニ店舗にいた場合、そこから直線距離にしてたった119m歩きさえすれば、かなり高い確率で別のコンビニへ到着することを意味する。それだけ密集しているのだから、東京23区に住んでいると、便利なコンビニの存在を「当たり前」のように感じてしまうことだろう。

 一方、人口20万人以上の規模の大都市でも、茨城県つくば市や、新潟県上越市などでは、高齢者の8割以上がコンビニ難民と推計される。また、三重県津市や島根県松江市、福島県福島市、佐賀県佐賀市などの県庁所在地クラスであっても、コンビニ難民比率が7割を超える都市は少なくない。これらの地域では、今後の人口減少がコンビニ難民のさらなる増加につながり、生活利便性の低下に拍車をかけることが懸念される。

 筆者は高齢者全体の6割をコンビニ難民と定義したが、実際には同居している子どもや孫がいれば、クルマで食品スーパーや薬局、役所などへ送ってもらったり、用事を代行してもらったりすることもできるだろう。確かに、そうした家族のいる高齢者なら、データ上ではコンビニ難民に該当していたとしても、特段の不便を感じないだろう。

 しかし単身高齢者、いわゆる独居老人や高齢者夫婦世帯がコンビニ難民になると、問題が深刻化しやすいと考えられ、一層の注意が必要だ。単身高齢者や高齢者夫婦世帯こそ、コンビニが徒歩圏内にあることが重要と考えられるからだ。

 ちなみに、コンビニ徒歩圏内に居住していない高齢者のうち、世帯に高齢者しかいない単身高齢者、高齢者夫婦世帯の人口を別途に推計したところ、全国で868万人いるという結果になった。