徹夜で仕上げた報告書や資料やレポートが、ほとんど目も通されず、目の前で捨てられてしまうことだってあるかもしれません。

 営業であれば、約束の時間に行ったにもかかわらず、忘れられていたりすることもあります。

 一見、単なるいじめや意地悪にしか見えないこのような出来事は挙げたらキリがありません。残念なことに、若い頃は、何度となく、このような場面に遭遇することになるでしょう。

 もちろん、このような意地悪に近い行為をしている人たちは、意識してやっているのか、それとも無意識で行っているのかはわかりませんが、その後の対応を見て、どういった人物なのか、その判断を下しているのです。

 実際、私たちは、今までもこうやって人の見極めを行ってきましたし、これからも、こうやって人の見極めを行っていくことになるでしょう。

 見込みがある人物なのかどうか、信頼に値する人物なのかどうか、今後やっていける人物なのかどうか、などなど。

 若いうちに、上司や先輩から、こういった事実を教えてもらえたなら、彼らがいざ現実にこれらの事態に遭遇しても、「これは、まさに試されているときなんだ」と思い、もうひとふんばりできるのではないでしょうか。

 このような一見マイナスの現実をどう捉え、それにどう対応するかが、今後の成長を左右することになります。あきらめるのは最も簡単ですが、最も愚かな選択であることを認識させてください。

意地悪を乗り越えれば、
親密な関係が築ける

 面白い実例を紹介します。医薬品業界に勤めるビジネスリーダーの体験談です。

 この人は、入社当時、頭痛薬や胃腸薬など一般用医薬品(いわゆる市販薬や大衆薬と呼ばれる家庭用医薬品)の営業をしていました。日々、受け持ったエリア内の薬局を地道に回り、担当している薬の販売促進をしていたのです。

 チェーン展開している大きな薬局の物流センターに気難しい責任者がいて、入社したての彼に、こう言ったそうです。

「おい、『あれ』を補充しておいてくれ」

 当然のことながら、彼はこう聞き返しました。

「すいません。『あれ』って何ですか?」

 すると、その責任者は伝票に目を落としたまま、彼のほうを見ず、冷たくつぶやいたそうです。