G20の「2013年までに財政赤字を半減」という声明が出て以来、各国政府の政策スタンスは、財政健全策のウエートが高まりつつある。菅直人首相や自民党も消費税10%に言及しているが、日本はデフレの深淵に喘いでおり、対応を誤ると景気や株価に深刻なダメージを与えることになろう。
歴史には格好の材料がある。1929年の大恐慌に立ち向かったフランクリン・ルーズベルト米大統領の軌跡は、大いに参考となるだろう。大恐慌によってダウ工業株30種平均は時価総額の9割が吹き飛び、32年の実質GDP成長率(前年比)は▲13.1%に達した。この惨状に対して、33年に就任したルーズベルト大統領は果敢に立ち向かった。まず緊急銀行救済法によって、金融システム不安をなだめ、TVA(テネシー川流域開発公社)等の公共工事による需要創設や、民間資源保存局による大規模な雇用政策を打ち出した。