亮さん夫婦は共働きですが、その年のゴールデンウィークは会社の関係で夫婦の休みは完全には一致せず、妻子は一足先に妻の実家へ帰省し、亮さんが追いかけていくという流れでした。そんなわけで1日だけ亮さんにとっては妻子のいない自由な日があり、久しぶりに行きつけのバーに顔を出しました。
もともと妻がその店の常連で、亮さんはそこで妻と知り合い、付き合い始め、そしてゴールインしたとのこと。亮さんが「実は僕たち結婚したんです」と伝えるとマスターはさぞかし喜んでくれるだろうと思いきや、喜ぶというよりは驚くような感じで、亮さんが妻のことを話せば話すほどマスターの表情は曇っていきました。
亮さんはまるで独身時代に戻ったかのようにマスターとの昔話を堪能したのですが、最後に亮さんが会計を済ませ、店を出るところでマスターが耳打ちしてきたそうです。
「(妻には)怪しい人がいるよ」と。
亮さんの来店は6年ぶりでしたが、マスターいわく妻はたまに顔を出していたそう。そして妻が1人で飲みに来ているのならともかく、どうやら別の男と連れ立っていたようで、しかも2人はまるで恋人のような雰囲気を醸し出していたようです。だからマスターは妻がてっきり「別の男」と付き合い始めたと勘違いしていたのですが、亮さんと結婚していることを知り、ただただ驚くばかりだったとか。
浮気の疑いがある妻に直接聞けず
妻とバーに来ている男を見つける方法を模索
マスターの話を聞いた途端、亮さんの顔は真っ赤に火照り、両手はわなわなと震え、そして頭のなかは真っ白になったようですが、決してお酒のせいだけではないでしょう。
「妻が浮気をしているなんて完全に寝耳に水でした」
亮さんは思わぬ形で妻の隠し事を知ることとなったのだから当然といえば当然です。
もちろん、亮さんは怒りに任せて感情的に動くことも可能でした。例えば、お店を出た直後に妻へ電話をしたり、メールやLINEを送ったり、そして翌日には妻の実家へ行く予定だったので帰省先で詰問したり……しかし、亮さんには動くに動けない事情がありました。なぜ亮さんはすぐに妻と問い詰めることができなかったのでしょうか?