溢れんばかりの愛を与えてくれた母

ムーギー 椎木さんのお母様はどんな方だったんですか?

椎木 父に比べて覚えている事件的なことはあまりないのですが(笑)、唯一言えることは、僕たち子どもに対する溢れんばかりの愛情があったということですね。

ムーギー 同じように、椎木さんと里佳さんとの掛け合いを見ると溢れんばかりの愛情を感じますよ。お父様とお母様の教育は、里佳さんの育て方にも影響しているのでしょうね。

椎木 ああ、「愛しているけれど、信頼して放っておく」は、たしかに母の姿勢そのものです。うん、いま気づきました。

ムーギー ちなみに、どんなところにお母様の愛情を感じましたか?

椎木 全部ですね。「子どものこと、好き過ぎだろ」って思っていました。

ムーギー 子どもながらに(笑)。確かに椎木さんが放たれる暖かいオーラには、子どものころから豊かな愛情に包まれて育った人特有の、ポジティブ・安心・前向きオーラがにじみ出ています。

 じつは『一流の育て方』の最終章では、子どもの育て方でいちばん大切なことは、結局のところが「無償の愛情」だと言っています。仮に主体性を持たせる、視野を広げるといったもろもろの教育ができなくても、親の無償の愛情さえ伝わっていればちゃんと育つと。

  本書で紹介している「親に最も感謝していること」というアンケートでも、結局のところ、「無償の愛情を感じさせてくれたこと」と答えている人が複数いました。

椎木 なるほど。

ムーギー 私、椎木さんと違って親の愛情をあまり実感していなかったんです。小学校のときは、勉強させて有名中学校に合格させたいのは親の見栄だろうと斜に構えていた。でも、夜中の2時にふと起きたら居間から明かりが漏れていたことがあって。覗いてみると、母がコタツで僕の志望校の入試問題を解いていたんです。

椎木 ムーギーさんに教えるために。

ムーギー ええ。それが「あ、お母さんは自分に尽くしてくれているんだな」と気づいた瞬間で、子どものころを振り返るとまずそのシーンを思い出します。

椎木 素敵なお母様ですね。

ムーギー いやあ、椎木家に比べれば全然ですが、ミセス・パンプキンからは相当、無償の愛情を注いでもらいました。

 それにしても、椎木家の子どもの育て方は本書の中で「将来、子どもたちが最も感謝する育て方」として紹介している項目とぴったりで驚きました。そんな「子どもの可能性を伸ばし、主体性を尊重する教育法」には、椎木さんご自身の両親の影響と、主体的に理想の家族をつくろうとしてきた椎木さんの意志がある。とてもいいお話を聞くことができました。ありがとうございました。
 

 ところでDLEで、ミセス・パンプキン(注:『一流の育て方』共著者でムーギー・キム氏の母親)のキャラクターをプロデュースしませんか? 私、ミセス・パンプキンをアニメ化して、一山あてようと思っているのです。じつはデザイン事務所に頼んで、キャラクターもつくってもらいました。御社のHPを拝見したところ、「育児の名言を吐く、母親キャラ」はまだいないようで……。

椎木 それは後でゆっくりお話しましょうか(笑)。今日は本当にありがとうございました!