すばらしい色彩感覚とは、
色の名前を言えることではない
(Kisou Kubota)1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。
子どものすばらしい色彩感覚は、表現できて初めて他者からの評価を得ます。
確かに、色の名前をスラスラ言える子は、言えない子よりも賢そうに見えます。
しかし、すばらしい色彩感覚とは、色の名前を言えることではないのです。
赤色と青色が混ざって紫色になる、と教えることは禁物です。
色につき合ううちに自然にわかればいいのです。
「この緑色、ママ大好き」
「こんな青色のドレス、ほしいな」
「キレイなお空だね、あの雲、変わった色をしているね」と。
そして、
「○○ちゃんはどっちの色が好き?」
「○○と△△ならば、どっちの青が好き?」
と聞き、指を差せたらいいのです。
一般に、「赤」と言われている色の中にも、たくさんの色があります。
赤色を見ているうちに色合いがわかり、黄色に近づいたり、青色に近づくと、元色が変わるらしいことが、ぼんやりわかるくらいでいいのです。
≪競博士のひと言≫
ある程度覚えている色数が増えてきたら、次は色がもともとあるものや、色が新たについたもののイメージを、子どもの脳にたくさんファイルすることです。
これは、視覚連合野に保存されます。
覚えさせるものは、生活に関連しているものがいいでしょう。
色の名前が言えるよりも、「赤い箱」「青い積み木」など、色つきの物体を覚えることを幼いころにすべきです。