「脳科学おばあちゃん」久保田カヨ子氏(83)と脳科学の権威・久保田競氏(83)注目の新刊『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』
あの「週刊文春」の「ベストセラー解剖」にも取り上げられ、ソニー創業者・井深大氏も絶賛した『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』や、「Amazonランキング大賞2016上半期【暮らし・健康・子育て】ベスト20」にランクインした『0歳からみるみる賢くなる55の心得』の続篇としてついにリリース!
「1歳から感性豊かな脳を育む五感トレーニング」を「脳科学おばあちゃん」にこっそり紹介してもらおう。

一度に多くの色を与えないで!

久保田カヨ子
(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。著書に、累計36万部突破のシリーズ『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』『0歳からみるみる賢くなる55の心得』(以上、ダイヤモンド社)などベストセラー多数。
【株式会社脳研工房HP】 http://www.umanma.
co.jp/

 絵はイメージの世界の現実化です。
「何を描いているのかわからないのに、ほめられない」というお母さんがいるかもしれませんが、そんなことはありません。

わー!この線、長く描けたね。しっかりした線だね
ここのところ、お母さん好きよ
色鉛筆、3本増やして描こうか

 などと、ほめてあげてください。

 色鉛筆を与えるときは、はじめに「黒色」を、それから「赤色」や「青色」を増やしていき、一度に多くの色を与えないでください。

 そして、与えられた色だけを使う、偏った使い方をしないように注意することも大切。

絵心、観察力を豊かにはぐくむポイントは、2つあります。

【ポイント1】多くの色を与えすぎない

 彩色には、最初は鉛筆の黒1色。実線が描けたら3色を色分けし、偏った色使いがなくなれば、10色ぐらいセットになったものを与えます。

 絵の具を使って色水遊びで混色したり、重ね塗りしたりできるように条件を整えますが、お母さんも加わって遊べるときにします。

 子どもは多くの色に囲まれていますが、色の組合せは、使える色を少なくします。

 パステルカラーや光沢のあるものを用意するにしても3~10本までにし、ものの形が説明しなくてもわかるまで多くを与えません

【ポイント2】効果的な言葉がけ

 感嘆詞をうまく使い、対象物を一緒に見ます。
 このとき、お母さんが気に入ったものは、具体的に話さないでおきます。

「あの形、変わっている」「この色、キレイ」は、「わー、いいな」「キレイだなー」などの感嘆詞で表現します。

久保田 競
(Kisou Kubota)
1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。

 子どもには評価の基準がありません。
 新しい何かができた、言えた、描けた、そのことだけで満点です。

 子どもの行動に、「上手に、うまい」は、比較できるものがあればできます。

この絵より、この絵のほうがママは好き、上手に描けたね
この赤い色、ママの好きな色よ
ママを描いてくれる?ママの好きな色の服着せてね。ママの好きな色、覚えている?
わぁー、うまく描けたね。ママの好きな色、よく覚えていたね

 などとほめます。

 あらゆるチャンスをとらえてほめますが、比べるものがないのに、「上手」「うまい」と評しては、子どもの脳は混乱します。

 子どもはお母さんの笑顔に支えられ、感情の動きに従って生きています。
 3歳にもなると、自分と「他」を知ります。

 お母さん自身は、「私のところだけは別」と思いたいでしょうが、子どもにとってはお母さんも「他」になります。

 イヤなことを泣いて排除していた赤ちゃんも、言葉が話せると、はっきり「イヤ」「ダメ」と、便利な(NO)信号を発信して、断固拒否したり、抵抗したりします。

 3歳児の反抗は、「第一次反抗期」などと呼ばれ、育児で避けて通れないとも言われますが、親の働きかけ次第でいくらでも変えられると私は思っています。

≪競博士のひと言≫
 親が子を「ほめるためにほめている」ことがわかると、母親不信になりがちです。
 子どもをほめるのは、本当に難しいものですね。