<理由2 シェール革命で、米国は世界一の資源大国に>

 オバマ政権下で起こった、もっとも大きな変化は「シェール革命」だろう。というのも米国にとって長らく、政策を大きく左右する動機となってきたのが「エネルギー問題」だったからだ。

 ブッシュが大統領に就任した時、「米国内の原油は16年に枯渇する」と予測されていた。このことと、ブッシュ政権が異常にアグレッシブだったことは無関係でない。米国は03年、イラク戦争を開始した。表向きの理由は、「フセインが9.11を起こしたアルカイダを支援している」「大量破壊兵器を保有している」だったが、2つとも「大うそ」だったことが後に明らかになった。

 では、米国がイラクを攻撃した真の理由はなんだったのか?諸説あるが、FRBのグリーンスパン元議長は、以下のように告白している(太線筆者、以下同じ)。

「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露
[時事通信 2007/09/17-14:18]
【ワシントン17日時事】18年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。


 米メディアによると、前議長は「イラク戦争はおおむね、石油をめぐるものだった。だが悲しいかな、この誰もが知っている事実を認めることは政治的に不都合なのだ」と断言している。>

 グリーンスパンによると、イラク戦争の理由が「石油」であることは、「誰もが知っている事実」なのだそうだ。いずれにしても、米国が中東に強く関与しつづけていた理由が「資源がらみ」であることは、間違いない。

 そんな状況が「シェール革命」で激変した。世界で「資源超大国」といえば、サウジアラビアとロシアだった。しかし14年、米国の産油量は両国を抜き去り、世界一になった(14年の産油量は、米国が日量1164万4000バレル、サウジアラビア1150万5000バレル、ロシア1083万8000バレル)。

 これで米国は、天然ガス、原油生産ともに世界一になった。そして、米国は今年、40年ぶりに原油輸出を再開している。

「シェール革命」は、原油価格を下げ、日本にも大きな恩恵をもたらしている。日本は東日本大震災後、原発をすべて停止し、原油、天然ガス輸入を大幅に増やした。その結果、貿易赤字が大きな問題になっていた。しかし、シェール革命による原油安で、赤字は急速に減少している。14年の日本の貿易赤字額は、12兆8161億円だったが、15年は2兆8322億円で、10兆円も減少した。

「シェール革命」について、「オバマ自身とあまり関係ないのでは?」という意見もあるだろう。確かにそのとおりである。しかし、クリントンは「IT革命で米国の景気がとてもよかったこと」を理由に、「偉大な大統領」と呼ばれている。はたして、クリントンは「IT革命」に何か貢献したのだろうか?「シェール革命」についても、「オバマ時代に起こった」ことで評価されるべきだろう。