現在、30代にあたる「就職氷河期世代」は、「団塊ジュニア」「ポスト団塊ジュニア」、あるいは「貧乏くじ世代」などとも呼ばれる。
だが、もうひとつ、別の呼び名があるようだ。
「ガンダム世代」。
1979年、TVアニメ「機動戦士ガンダム」が放映されて以来、30年にわたってガンダムを愛し続けてきた。現在の市場を牽引するのは子どもではなく、彼ら30代の男性たちだ。
バンダイナムコHDのキャラクター別売上高で、ガンダム関連は2009年度通期実績で346億円。ピークだった2006年度(通期実績545億円)以降、下降曲線に入っていることは否めないが、あいかわらずキャラクター別売上トップの座に輝いている。
大人になってからというもの、ずっと時代のワリを食ってきた30代が、なぜ今なおガンダムの魅力にハマるのか。理由を知りたくて、ガンプラマニアを自認するアムロ・レイさん(仮名)に話を聞いてみることにした。
なお、この連載ではさまざまな「趣味活」の達人にインタビュー。職場や社会がギスギスする中、自分の時間を生き生きと満喫する男たちの、熱くて奥深いオタクワールドを紹介していく。
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趣味活男 #01:アムロ・レイさん(仮名・38歳)
職業:コンピュータエンジニア
家族:妻・長男
趣味:ガンプラ集め
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「新製品は3個買ってしまう」
マニアの性
「専用の赤外線リモコンで、バルカン砲内部や目の部分が点滅するんですよ。ほらね?起動音やバルカン砲音も出せるんです」
ズドドドドドドド……
彼の前にそびえたつのは、実物の12分の1ガンダム「HYPER HYBRID MODEL 1/12 RX-78-2 GUNDAM」。全高はなんと1.5メートルだ。手足の可動域も大きく、自在にポーズを決めることもできる。もはやプラモデルとはいえない。アニメの世界から飛び出してきたガンダムそのものだ。