「コミュニケーション下手」に
ありがちな共通点

 「その1」の回答は、背景となる学生時代の努力から説明している。続いて、企業での取り組み、そして最後に質問への答えを伝えている。このように背景から説明すると、最後の答えを聞くまで、何が言いたいのかがわからない。

 せっかちな面接官であれば、イントロの「学生だった10年ほど前より英会話学校に通い、英会話の基礎を身に付けました」を聞いた瞬間に、「この学生の強みは、英会話の基礎を身に付けていること?」と思う可能性が高い。

 しかし実際は、「英会話の基礎があったので、5年ほど前より……」と説明がやたらと続くので、「英会話の基礎を身に付けていること」が強みなのか、それともこれから答えが出てくるのかわからないのだ。

 最悪のケースは、話が長いと思われてしまって途中で遮られ、「プロフィールについては結構ですので、強みだけお答えください」と言われることだ。そうなったら、どんな答えをしても“伝え下手”や“コミュニケーションに問題がある人”と評価されて不採用だろう。

 この面接の会話からわかることは、「相手が期待していることにすぐ答えることで、相手の関心を醸成できる」ということだ。イントロがフックとなり、最後まで話を聞いてくれるだろう。