そんな中で2社以上の内定を取っている学生によくある悩みの1つが「どの企業にしたらいいのか分からない」という状態です。内定をもらう前の選考段階では、企業研究から面接対策、将来のビジョンなど様々な面から徹底的に調べていったはずなのに、内定取得後には頭の中が真っ白になってしまう学生が多いのです。ひいては悩み過ぎて、落ち込む学生までいます。

 実際に悩んでいる学生に話を聞いてみると、彼らの判断基準は、「どちらの企業がより安定しているか」「口コミでひどく書かれているのはどちらの企業か」という概ね2つで構成されていることがわかります。

 これは、「就活を継続するか終了するか」で悩んでいる人の場合も同様です。つまりより良い選択をしたいがために悩むという傾向があり、基本的に売り手・買い手市場かどうかや、就活スタート時期にはあまり左右されません。

 もちろんそういった悩みを抱えても全員が不安になるわけではありません。楽しんで自ら選択する学生もいますし、前向きに内定者懇親会で率直に不安を相談する学生もいます。しかし、相手先である企業に相談をすることに抵抗を感じる学生の場合は、企業以外の場所である就職課や先輩に相談します。

 実際に私自身も学生と対面で話す際にそういった相談を受けるのですが、ここでの注意点は「どちらかを選択すれば幸せになる」という考え方をすることです。ちなみに私の場合は判断に必要なデータがあれば提示しますが、あくまで選択は本人という姿勢を貫きます。「どちらが幸せになる」のかは責任が持てない以上、安易に答えられないからです。

 その際、私は「どちらの選択肢を選んでも苦労・やりがいが同じだとしたら?」という質問を投げかけるようにしています。結局は自分で決心をしないと就業後のギャップが大きかった際にも調整がきかず、早期退職をしてしまう可能性があるからです。データを示したとしてもそれは現在の状況を示す1つにすぎず、10年後20年後をあらわす確定した情報ではありません。