参院選から18歳選挙権スタート
若者のために世代間負担構造の見直しを

この参院選から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる。にもかかわらず日本の負担構造は、若者にとって不利なシルバー民主主義そのものだ

 この参議院選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、新たに240万人程度の有権者が増えることになる。この機会に、わが国の世代間の負担構造がどのようになっているのかを考えてみたい。その構造は、シルバー民主主義といわれる今日の政治が色濃く反映された姿になっていることがわかる。

 本来なら受益と負担を合わせて考える必要があるが、今回の分析は負担に限定する。下図は、ライフサイクルに応じて税と社会保険料のモデル世帯の所得に対する負担割合を筆者が計算し、イメージ化したものである。したがって、多少の正確性に欠けていることをご容赦願いたい。

 モデル世帯は「専業主婦子どもあり」の世帯とした。「今どき専業主婦世帯か」という批判が予想されるが、共稼ぎ世帯はパターンが多くつくりにくいので致し方ない。

 夫は60歳まで正規雇用として働き、年をとるにつれて収入が増えていく。60歳で再雇用になり収入は大きく下がる。65歳で働くことをやめ年金生活に入る、というイメージである。横軸は年齢を、縦軸は収入に対する税・社会保障の負担割合を、色々な統計から持ってきた平均的な収入を基に計算したものである。

 赤色のラインは、収入に対する消費税(税率8%)の負担割合を表している。それを見ると、22歳から年齢を重ねるごとに少しずつ低下し始める。しかし60歳を超えると少し上昇し、65歳を超えるとさらに少し上昇している。

 これは、所得のうち消費する割合(消費性向)が変わることから生じる変化である。勤労世代では所得は年を取るにつれ上昇し、消費割合が下がるので、消費税負担割合は少しずつ低下する。