前2ページの表は、東大の推薦入試、京大の特色入試の合格者数を高校別にまとめたものだ。トップは東大に1人、京大に3人の合格者を出した洛星(京都府)、次点には東京学芸大学附属(東京都)、日比谷(同)、灘(兵庫県)など8校が並んだが、いずれも毎年、両大学に多くの合格者を輩出している名門進学校である。

 そのほかにも共通点があると安田氏は指摘する。それは、「中高一貫校か、スーパーグローバルハイスクール(SGH)またはスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定校」だ。この3つの条件のいずれにも当てはまらない学校は、10校ほどしかない。

 東大の推薦も京大のAOも、書類による1次選考を通過すると、面接や小論文、グループディスカッションなどの試験がある。ここで問われるのは、論理的思考力や発想力、表現力、あるいはコミュニケーション能力などだが、一般の高校でこうした能力を身につけるのは、まず時間的に難しい。

 東大も京大も推薦、AOでは大学入試センター試験で一定以上の得点率を上げることが合格の条件となっている。東大では8割以上が目安となっているから、センター試験の勉強だけでも大変だ。

 そのほかに、特筆すべき課外活動などが評価対象となり、さらに面接や小論文などの対策もやらなければならないのだから、高校3年間だけでは時間が足りない。結果、中高6年間の一貫教育を行う学校が有利になったというわけだ。

 SGHやSSHの指定校も中高一貫校が多いし、そうでない場合でも指定校の利点を生かして論理的思考力やコミュニケーション能力などを高める授業を行っている。

 そもそも、推薦・AOの募集要項を公表したのは、東大が昨年の7月、京大が6月である。それで、出願は数ヵ月後の10~11月だったのだから、そもそも対策など立てる余裕はなく、それまで培ってきた実績・能力で勝負するしかなかったのだ。

 今後、両大学の推薦・AOが定着すれば、早めに対策を練る学校や生徒が増えることになり、合格者を出す高校の顔ぶれがより多様化していくかもしれない。