海外では「クレジットカードをメインに、
少しの外貨キャッシュ」が基本

 そろそろ夏休みシーズンが始まる。今回は、私が日頃から実践している「海外旅行でのお得ワザ」をお伝えしよう。

 海外旅行へ行く人は、旅先でのお金の払い方に注意を払いたい。払い方によって、家族全員のランチ代くらいおトクになることがある。

 海外で使う外貨は、コストと利便性で選ぶのがポイント。「クレジットカードをメインに、少しの外貨キャッシュ」で払うのが基本と覚えておこう。クレジットカードで支払うと、カード会社が適用したレートに1.63%程度の手数料が上乗せされ、1ヵ月分まとめて翌月以降に口座から決済される。コストは1.63%というわけだ。

 一方、外貨キャッシュは両替コストが高く、カードより割高になるのが一般的だ。たとえば、報道で「1ドル100円(銀行間の取引レート)」と言っているときに、日本の銀行で円から米ドルキャッシュに両替すると、1ドルにつき3円の手数料が上乗せされた103円が両替レートとなる。3円の両替手数料(コスト)は、1ドル100円のときなら3%にもなる。米ドルの場合、クレジットカードの2倍近いコストとなり割高だ。

 両替手数料は通貨によっても銀行によっても異なり、ユーロは米ドルよりも高く1ユーロあたり4~6円かかる。執筆時点の銀行間レートが1ユーロ113円なので、両替コストは3.5~5.3%にもなる。

 流通量が少ない通貨は、さらに両替手数料が高くなる。オーストラリアドルの両替手数料は、安い銀行でも1豪ドルあたり9円50銭、高いところでは11円50銭もする!今の1オーストラリアドル76円の水準なら、両替コストは12.5~15%前後!計算間違いかと思ってしまうほど、高い手数料だ。

 たとえばオーストラリア旅行へ行き、現地で20万円くらいの外貨を使うと想定した場合、クレジットカードとキャッシュの調達コストの差は、約2万円以上にもなる。家族4人の夕食代が賄える金額だ。実際のところ、このコラムの読者はクレジットカードを使えない高齢者と違って、20万円相当も外貨キャッシュに両替して現地で使うことはないと思うが、いずれにせよ「外貨キャッシュはコスト高」であることは肝に銘じておこう。

 両替手数料は、為替水準に関係なく「定額」のため、円高になるほどコスト負担が高くなるのである。つまり、円高になるほど、クレジットカード利用のおトク度が高まるということだ。