ビジネスパーソンにとって読書は素振り
読書は習慣にすることが大事だと思います。ビジネスパーソンたちの基礎体力を向上させてくれるのが読書だからです。いわば、プロ野球選手が毎日やっているバットの素振りのようなものです。素振り練習は、バッターにとっては基本中の基本です。この基本を実践した選手だけが一流になれます。
長嶋茂雄監督が松井秀喜選手と過ごした日々を振り返ってこう言っています。
「1992年のドラフトで引き当て、初めて対面したのはその年のクリスマスの入団発表の時ですが、がっしりした大きな身体が大学生以上どころか、まるでアメリカンフットボールの選手でした。『巨人を背負って立つ打者になる』とピンときて、すぐに3年計画、千日の素振りをやらせることを決めたのです。調子が良いとか悪いとかは関係なし、とにかくボールを打たない素振り、素振り、また素振りです。もちろん“正規の練習”とは別に、ですよ」*1
ビジネスパーソンにとって、この素振りに匹敵するのが読書です。読書を習慣にした人は強いです。習慣化のためには、本を読む時間を決めておくことが重要だと思います。私は10年以上前から朝8時から9時30分までを読書の時間と決めています。
もうひとつ習慣化のために必要なことは、読書せざるを得ない状況を作ることです。たとえば、書評のブログを始めるといいと思います。1週間に1回のペースでもいいですし、3日に1回でも、自分に合ったペースで更新すればいいのです。本を読んで仕入れた情報を、ブログにアウトプットしていけば自分の頭のなかにその情報が定着しますし、読書の励みになります。周囲に「1週間に1回、必ず更新します!」と宣言して自分を追い込んでみるのもいいかもしれません。
参考文献/『本を読む本』M・J・アドラー、C・V・ドーレン著 外山滋比古、槇未知子訳(講談社)
*1 セコムHP