中国の1人当たりGDPは2008年に3000ドルを超えました。一般的に1人当たりGDPが3000ドルを超えると、人々が生活に最低限度必要な衣食住が足りるようになり、自動車などの消費市場が急速に拡大するようになるといわれています。そして、他国の発展過程をみる限り、3000ドルを超えた後、消費が爆発的に拡大して、1人当たりGDPが一気に1万ドルへと駆け上がるまで、経済の高成長が続くといった傾向が強いようです。
しかも中国のGDP総額は既に日本を抜いて世界第2位となっているにもかかわらず、1人当たりGDPは依然として日本のわずか10分の1程度、世界では100位レベルです。過去にGDPが2位になった国で1人当たりGDPが100位前後のままであり続けた国はありません。
ちなみに世界最大の投資銀行である米ゴールドマン・サックスが2010年に発表したレポートによると、中国の高成長が継続し、人民元が年間3%上昇すると仮定すると、中国の1人当たりGDPは、2010年には4220ドル、2020年には1万4000ドルに達すると予測しています。そうなれば、中国の消費市場は今後10年で爆発的に膨らむことになります。
旺盛な中国の消費市場
10月連休は前年同期比2~3割の伸び
では実際に中国の消費市場がどれぐらい伸びているのかを直近のデータを交えて見てみましょう。
中国では10月1日~7日は「十月ゴールデンウィーク」と呼ばれる大型連休です。2010年も、この連休の間、中国の消費市場は活況で大きく伸びました。
中国商務部によると、2010年10月1日~7日の連休中の、中国の小売総額は前年同期比18.7%増の5925億元で、伸び率は同0.7ポイント上昇。1日当りの消費額は18.8%増の846億元となっています。地域別をみると、武漢、長沙、重慶、四川などの中西部の主要都市の小売総額は同20%以上拡大し、上海、広州は2~3割伸びています。北京の小売総額は31%増加し、ここ5年間で最大の伸び率になっています。
製品のセグメント別を見ると、家電製品と金・ジュエリーの販売が最も大きく伸びました。連休中、電器量販大手・蘇寧電器の北京の店舗売上は2倍に拡大。国美電器の販売は145%拡大。北京で最も有名な貴金属販売店である菜市口百貨公司の売上は同40%拡大し、顧客数は50%増加しています。