羽鳥 議論を重ねて1年かけて結論が出て、当時の社長(現会長)に2人で「自分たち2人に社長業をやらせてほしい」と直談判しました。一緒に議論してきた経緯がありますから、2人で就くのは私たちにしてみれば不自然ではない流れでした。そこから半年後、2人揃って社長に就任しました。

なぜ、「ガリバー」という社名を変えたか<br />ビズリーチ・多田洋祐取締役・キャリアカンパニー長

多田 この8年間、兄弟での役割分担や決め事など、取り組まれてきたことはありますか?

羽鳥 変わらず、常に議論を重ねています。一般的に会社の2代目社長というと、守りに入って縮小傾向に陥るか、気合で新しいことにチャレンジしようとして失敗するかのどちらかになりがちだと思います。自分たちはそうならないよう、経営の意思決定が必要な場面では徹底的に議論して、「本当に良いと思えたことだけやろう」と決めました。

 意思決定には時間をかけますが、一回決めた後は成功するまでやり切ります。アクセルとブレーキを常に両方踏み切るという状態で8年間やってきたという感覚です。

自動車産業の大転換期に突入。100年ぶりに面白い時代がやってくる。

多田 自動車業界の現状についてどのように見ていますか。

羽鳥 自動車業界は今まさに、世界中で大転換期に差し掛かっています。今から100年前、大量生産ができるようになって市場が一気に広がったという出来事がありましたが、100年ぶりの大転換が、2020年くらいまでの間に起きると確信しています。

 まずはテスラを筆頭に電気自動車がこれから一気に普及していくでしょう。するとエンジンが電気モーターに変わり、一気に部品数が減り、自動車産業への参入障壁がぐっと下がります。同時にネットとクルマがつながり、さまざまな可能性が広がりつつあります。

 IoTでクルマとスマートデバイス、自宅、街がまさにつながっていくわけです。そこにAIが加わり自動運転技術が発展する。また、クルマの利用用途として「所有からシェアへ」という考え方に基づいたシェアリングエコノミーも台頭しつつあります。今まで経験したことのないスケールで変化が起きているわけです。

 よく社員には「最後まで残ってきた最大のマーケットである自動車業界が、いよいよこの4~5年で大きく変化する時期に来ている」と伝えています。実は私、あんまりクルマそのものには興味ないんですよ。ただ、自動車マーケットについては、こんなにとてつもなく巨大で、かつ改善が進んでいない、魅力的なマーケットはないと思っているんです。そして、このマーケットこそ最後に大流通革命が起きるところなんだろうな、と。

多田 そうしたまさに変動の時代の中で、IDOMはどういった経営戦略を考ているのでしょうか。

羽鳥 まずは2020年までに、国内にある500店舗を1000店舗まで増やしたいと思っています。ユニクロが国内約800店舗です。そこまでやれば自動車業界最大のリテール会社になることができます。

そして次にネットです。クルマを取り巻く流通構造そのものが変わってきています。東京ではクルマを購入する人は少なくなっていますし、そもそも「クルマほど無駄な買い物はない」と思っている人も少なからずいるでしょう。一方で、私の地元である福島ではタクシーは呼ばないと来ないし、過疎化が進んでいるので、一人1台車を持っていないと生活できません。一人ひとりのスタイルにあわせたクルマの形を提案すべきだと思います。将来的に、クルマは「買う」「売る」だけではない商品になっていくでしょう。