ではそのとき、胴元とプレイヤーのどっちが破産しやすいでしょうか?

 ふつうは、プレイヤー(*5)です。だからカジノは儲かるのです。みんな負け逃げしてくれるから。

 生命種にとっても同じこと。

生命は、地球環境を相手に、まさに死ぬ(絶滅する)まで続くゲームをやっているのです。そして、種として対応しきれない環境変化が起こったとき(=100回連続でコイントスゲームに負けたとき)、種は絶滅します。

 この生命種存続ゲームに勝ち逃げは、ありません。回数限定ではないので、引き分けもありません。

生命種の生き残り戦略

 種の生き残りのための戦略はそれゆえ、「多様性」となります。

 ふつうのものだけでなく、寒さに強いもの、暑さに強いもの。土に潜れるもの、空を飛べるもの……。

 環境はどう変わるかわかりません。一族郎党みな揃って討ち死にしないよう、色々な「生き残り戦略」を試しているのです。みんなでコイントスゲームに挑めば、きっと誰かが生き残ってくれるでしょう。

 そこでの鍵は「変化が起こる前から準備する」こと。環境の激変が起こってからでは間に合いません。将来に対して、「多様性」をもって備えなくてはいけないのです。

 将来の不安に備える。これは「ヒト」以外にはできない、非常に高度な能力です。本能や進化に任せるのではなく、知性を持って自ら環境変化に備え、環境を変えることさえやってのけるのがヒトです。

 この能力が今までのところ、環境適応や種の保存でなく、「環境破壊」「種の絶滅(*6)」により多く貢献していることは皮肉なことですが。

 それでも……それでもいつかは自らの絶滅の日がやってきます。その日まで、みんなで精一杯頑張りましょう! 「生きる」こと、それがもう一つの生命の本質だから。

*5 大王製紙創業者の孫 井川意高はカジノで106億円負けて会社を潰しかけた。特別背任罪で4年の実刑判決。
*6 現代は史上最速で生命種の減少が起こっている。ヒトによる「6回目の大絶滅」である。

参考資料
『大絶滅―遺伝子が悪いのか運が悪いのか』(平河出版社)デイヴィッド・M. ラウプ
『酸素のはなし―生物を育んできた気体の謎』 (中公新書)三村芳和
『カイアシ類・水平進化という戦略―海洋生態系を支える微小生物の世界』(NHKブックス)大塚 攻
『次の大量絶滅を人類はどう超えるか:離散し、適応し、記憶せよ』(インターシフト)アナリー・ニューイッツ

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