ボルボEX30 UltraのフェイスボルボEX30 Ultraのフェイス。山形・月山をバックに  Photo by Koichiro Imoto

ボルボ「EX30」は実際どんなクルマなのだろうか?東京を起点に北東北を1800km周遊し徹底考察!後編では、BEVで最大の問題となる充電と航続距離について詳細リポートする。また、インテリアの評価やコネクテッドカーの洗練性もマニアックにレビュー。最後に、コスト/タイムパフォーマンスの観点も踏まえて真正面から総評する。【前後編の後編】(ジャーナリスト 井元康一郎)

>>前編『ボルボEX30はなぜ「日本で最も売れている輸入EV」なのか?2泊3日1800kmを乗り回して分かった実力』から読む

高速道路と郊外路の計4パターンで
充電と航続距離を徹底レビュー!

 BEVドライブで最大の問題は1回の充電でどのくらい走れるか、である。EX30のバッテリーは総容量69kWh、使用可能範囲64kWh。旅程の中で充電のデータを取ってみたところ、充電器から投入された電力量を100%換算した数値の平均は68kWh台。充電ロスを考慮すると、使用可能範囲64kWhは「妥当な数値」と考えられる。

 今回のドライブでは諸般の事情で100%スタートが一度もなかったが、64kWhに1kWhあたり何km走れるかを表す電力量消費率をかけ算すると、実際の航続距離を算出できる。以下、4パターンの走行実績について、次のページで最も電費が悪かったor良かったケースを紹介しよう。

◆高速道路A
5.2km/kWh (制限緩和区間あり。短距離の一般道区間含め平均車速100km/h超)
◆高速道路B
7.5km/kWh (最高90km/hに抑制。一般道を含めた平均車速70km/h)
◆郊外路A
6.9km/kWh (山岳路多し。速度高め)
◆郊外路B
8.2km/kWh (8割が平地。速度低め)