埼玉vs千葉 勃発!ビジネス大戦#5Photo by Koyo Yamamoto

埼玉県立浦和高校と千葉県立千葉高校――。いずれも東京大学の合格者数で、全国の公立高校の中でトップに立ったことがある、埼玉と千葉を代表する県立高校だ。OBの影響力を検証すると、経済界や霞が関での存在感では浦和高校に軍配が上がる。特集『埼玉vs千葉 勃発!ビジネス大戦』(全10回)の#5では、名門公立高校2校を徹底比較した。(フリージャーナリスト 猪熊建夫)

※本特集は当初「全7回」構成でしたが、7/23(金)~25(日)配信の記事3本を加えて「全10回」構成に変わりました

浦和高校vs千葉高校の名門校対決
「リアル半沢直樹」は浦和高校出身

 浦和高校と千葉高校――。

 それぞれ埼玉県と千葉県を代表する県立高校だ。両校とも東京大学の入学試験の合格者数で、全国の公立高校の中でトップになったことがあり、間違いなく日本中に名声が鳴り響く高校だ。だが、その座を維持できるかどうか、疑問の声が出ることもしばしばあった。

 そうした懸念を吹き飛ばすような企業のトップ人事が、2021年春にあった。メガバンクの雄、三菱UFJ銀行の新頭取に半沢淳一が就いたことだ。

 半沢は取締役常務執行役員だったが、副頭取や専務13人を抜いての登用だった。年齢は就任発表時55歳で、三菱UFJ銀行のトップとしては異例の若さだった。注目を浴びたのは、「異例の出世」の部分だけではない。

「半沢」という新頭取の姓だ。「テレビドラマに出てきたあの半沢直樹と同姓ではないか。話がよくできている」と、経済界のみならず、お茶の間の格好の話題になった。

 とりわけ、「リアル半沢頭取」の出現を歓迎しているのは、浦和高校の卒業生たちである。新頭取は東大経済学部卒だが、出身高校は浦和なのだ。

 浦和高校OBや関係者たちは、「経済界のトップにまた、うちの卒業生が就いた」と、誇らしい気持ちでいっぱいだろう。

 半沢だけではない。経済界のトップ、特に金融業界では浦和高校出身者の就任が相次ぎ、千葉高校に圧勝している。両校の全容に迫ってみよう。