新聞は読む「コツ」がある

「新聞の読み方」にあらわれる<br />トップになる人、課長止まりの人小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 お客さま第一の会社を作る第一歩として、世の中の動きを知ることが大切なことは皆さん、お分かりいただいていると思いますが、私が考える、世の中の動きを知るために、一番良い方法について説明しましょう。

 世の中の動きを知り、変化を掴むために、日頃できることは何かと言われたら、私は真っ先に、「新聞を読むこと」だと答えます。ただし、世の中を知るために新聞を読むのには、ちょっとしたコツがあるのです。多くの人はそれを知らないか、知っていても実践していません。結構残念な読み方をしている人が多いのです。

 新聞の読み方のコツの第一は、1面のトップ記事から順に読んでいくことです。

 自分の好きなスポーツ面から、社会面から読む、あるいは自分の関心のある記事を読むのではなく、1面から読む。それもトップ記事は必ず読む。これがポイントです。

 なぜなら新聞は、“読んでほしい順”に、言い換えれば、社会にとって重要な順に、記事が書かれているからです。つまり1面のトップ記事から順に読むことは、「世間の関心に自分の関心を合わせる」訓練なのです。それが、世の中の動きを知ることの第一歩です。

 自分の関心のある記事だけを読んでいると、世の中にとって重要なことを読み飛ばしている可能性があります。それでは、企業の正しい「方向付け」はできません。

 一面トップ記事を毎日丁寧に読んでいる人と、自分の関心のある記事だけを拾い読みしている人とでは、何年も経つと大きな差が出るのは当然です。前者の読み方は、経営者になる人の読み方、厳しいようですが、後者の読み方は、課長どまりの人の読み方です。