日本企業の99%は中小企業で、従業員の7割は中小企業で働くビジネスマン。実は中小企業こそ日本経済の「マジョリティー」なのである。そんな中で人材マネジメントについて注目してみると、大企業オリジンの手法が中心で、必ずしも現状にマッチしていない。たとえば近年アメリカ型のマネジメントから派生した成果主義に対する考え方、「360度評価」等の新しい手法は、社員数が3ケタにも行かない中小企業では通用しないことが多いというのが、独立前を含め18年、300数十社の中小企業を見てきた筆者の持論だ。本連載では、ビジネススクールや経営コンサルタントが言いがちな「定説」を覆し、山元氏の豊富な経験と取り組み事例を元に独自の視点で中小企業の人材育成を語る。