3つのグレードに分かれて、9月から始まる2020年度の「Musashi REDプログラム」  写真提供:学校法人根津育英会武蔵学園

科学の探究を英語で行う

 「イブニングプログラム」では各クラスにすべてのクラスにサイエンスの素養があり、英語教育に長けた外国人教師がつくほか、各クラスには生徒4〜5人に1人、日本に留学している大学院生や研究者によるティーチング・アシスタントがつく。これまでの参加者を見ても、武蔵の中高生を中心に、中高一貫生が多い印象だ。

 2019年度G1クラス参加者は、それぞれ1人の科学者を選んで調べている。量子力学と原子核物理学者として有名なエンリコ・フェルミ、ろうそくの絵と共に理科の教科書に必ず出てくるマイケル・ファラデー、新しいところではWorld Wide Web(WWW)を考案し、ハイパーテキストシステム、URL、HTTP、HTMLの設計も行ったティム・バーナーズ=リーといった面々が取り上げられていた。検索には子ども向けの検索サイトKiddleが活用されている。英語で調べるとその情報量の多さに驚くことだろう。

 G2クラスでは、ニューロサイエンスをテーマにディスカッションした。また、5つのグループごとに参加者の調査結果に基くプレゼンテーションを行っている。コロナ禍もあってZoomでの実施だったが、あるグループでは、脳力開発、リニアモーターカー、鶏のトサカ、カラスの知恵など多彩なテーマが選ばれていた。

 G3クラスになるとだいぶ高度で、単に調べるだけでなく、互いのプレゼンに対して活発な質疑が繰り返される。つまり、発表したことの中身について突っ込まれるわけで、よくよく調べて自分で理解していないと言葉に詰まってしまう。

 感心したのは、グレードが進むとかなり流ちょうに参加者がやり取りをしていることで、グレードごとに到達すべき英語能力も明示されている。団体向けのTOEFL ITPテストで、G1とG2はLevel2、G3はLevel1をプログラム終盤で受検する。

「Musashi REDプログラム」について、詳しくは応募案内をご覧いただきたい。参加費用は24万円(税込み)となっている。武蔵学園は海外で学ぶ機会をつかめるよう情報提供や体験プログラムを提供している。海外の大学に直接進学した卒業生に対して、独自の奨学金制度も用意されている。