国公立大合格力が高い北陸と愛知

 甲信越3県では、新潟県トップに28位県立新潟南が入った。新潟大106人、新潟県立大76人、金沢大16人であり、東京大と京都大はゼロである。とにかく地元に進学という信条がうかがえる。その点、55位県立新潟は新潟大77人、東北大44人、北海道大17人、東京大16位、京都大14人と、旧帝大志向の強さを示している。
 
 公立校ランキングベスト50に山梨県と長野県はない。山梨県トップは卒業生数が120人ほどの中高一貫である120位北杜市立甲陵で、山梨大11人以外は、数人ずつ散らばっている。長野県トップの55位県立長野は信州大29人、金沢大19人、名古屋大14人、次いで106位県立松本深志は信州大41人、北海道大13人、名古屋大11人となっている。
 
 東海4県では8校が50位以内に入ったが、うち5校は愛知県が占める。岐阜県は33位県立岐阜が、三重県は29位県立四日市がそれぞれ突出した存在である。岐阜は、名古屋大51人、岐阜大42人、京都大17人、名古屋市立大16人であり、四日市は三重大45人、名古屋大31人、大阪大21人、東大17人となった。
 
 愛知県トップは、中学校を付設して2025年度から中高一貫化する予定の11位県立明和で、名古屋大66人、京都大34人、名古屋市立大30人、名古屋工業大20人、愛知県立芸術大13人となっている。次いで16位県立岡崎は名古屋大74人、京都大34人、東京大26人、35位県立旭丘は名古屋大40人、京都大39人、東京大25人、名古屋市立大17人と、三河の岡崎と尾張の旭丘の両校はしのぎを削っている。
 
 43位県立刈谷も25年度から中高一貫化する予定だが、名古屋大80人、名古屋市立大25人、名古屋工業大24人、東京大・京都大各11人となっている。46位県立一宮になると、名古屋大78人、京都大22人、名古屋工業大・名古屋市立大各17人、岐阜大16人と、地元進学色がより強まっている。
 
 静岡県はベスト50に27位県立浜松北が唯一入った。名古屋大39人、静岡大34人、大阪大21人、京都大18人、北海道大・浜松医科大各15人で東京大10人となっている。ちなみに、53位県立藤枝東は静岡大30人、静岡県立大23人、名古屋大15人、89位県立静岡は静岡大25人、千葉大16人、名古屋大15人、東京大・京都大各12人といった具合で、県内の立地でだいぶ狙う国立大の傾向が異なることがうかがえる。

 最後に、(西日本の)北陸3県はベスト50に7校ある。300万人を割った3県合計の人口を考えると、国公立大合格力は全国的に見ても高い。富山県は各エリアのトップ校が並んだ。15位県立富山は富山大39人、金沢大31人、千葉大14人、38位県立高岡は金沢大30人、富山大25人、大阪大13人、東京大にも10人が合格している。48位県立砺波は金沢大31人、富山大27人、富山県立大18人だった。富山大にするか隣県の金沢大にするかという選択が多い。ここに富山中部の名前がないが、78位ながら富山大37人、金沢大27人に加えて、東京大25人、東北大14人、大阪大11人、北海道大・名古屋大各7人、京都大5人と旧帝大に強い全国区の学校といえる。
 
 石川県は8位県立金沢泉丘が金沢大58人、大阪大30人、神戸大28人、京都大27人、東京大23人であるのに対して、42位県立小松は金沢大61人、福井大・富山大各14人、北海道大11人となっており、旧帝大合格者数では金沢泉丘が圧倒している。
 
 福井県は10位県立藤島が福井大49人、金沢大33人、大阪大29人、神戸大18人、京都大15人であるのに対して、33位県立武生は福井大57人、金沢大26人、福井県立大15人、大阪大・富山大各10人となっており、関西圏への進学状況で分かれている。