
真壁昭夫
今年春以降、米国の電気自動車(EV)メーカーであるテスラの株価が乱高下してきた。その原因は、同社の経営状況に加えて会長兼CEOであるイーロン・マスク氏にある。見方を変えれば、経営者の資質が不足していたということだ。

9月18日から北朝鮮の首都平壌で、韓国の文大統領と北朝鮮の金正恩委員長が会談を行った。それをきっかけに、米国と北朝鮮の第2回首脳会談が早期に開催されるとの見方が急速に高まっている。

9月17日、米国のトランプ大統領は対中制裁関税の第3弾を発表した。その発表にもかかわらず、その後の株式市場は堅調な展開になっている。ただし、先行きは楽観できない。

中国のIT大手アリババドットコムの創業者であるジャック・マー(馬雲)会長は、来年9月に会長職を退くと発表した。この発表を耳にしたとき、「さすがジャック・マーは決断が速い」との印象を持った。

9月3日と4日、中国の北京で“中国アフリカ協力フォーラム”が開催された。中国の習近平国家主席は今後3年間で600億ドル(約6.6兆円)の支援をアフリカ各国に行うと表明し、会議に出席した各国首脳からの喝采を浴びた。

これまで、革新的で内容のいい地方金融機関と評価されてきた、スルガ銀行の不適切融資の実態が明らかになった。最大のポイントは、同行の営業部門において収益を追求する姿勢が強くなりすぎたことだ。

テスラは、今後の自動車業界の成長を象徴する“希望の星”と考えられてきた。特に、イーロン・マスク氏は、さまざまな分野から注目を集めてきた。しかし、足元の米国株式市場では、マスク氏が経営の“リスク要因”として扱われ始めている。

米国とトルコの関係悪化から、トルコリラが米ドルに対して約20%急落した。そうした為替市場の混乱をきっかけに、多くの投資家のリスクオフのオペレーションが進み、株式・為替などの金融市場が世界的に混乱した。

家具専門店の大手、大塚家具の経営先行きに関する不安が高まっている。その背景には、親子喧嘩によって同社のイメージが悪化したこともあり、同社の業績が急速に悪化していることがある。

今年6月以降、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の支持率が急落している。その背景には、同氏が掲げてきた“最低賃金引き上げ”の公約が守れなかったことがあるようだ。

4月1日、ある経営者のつぶやきが市場参加者を驚かせた。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、エープリルフールで“テスラが経営破綻した”とツイートしたのである。これは“冗談”では済まなかった。

自分の味方を非難し、皆が敵と見ている者の肩を持つ。どのような組織であれ、こうした行動をとるリーダーは多くの人の信頼を失う。米ロ首脳会談でのトランプ大統領の言動は、まさにその典型例だったようだ。

朝鮮半島は、米・中・露の大国の利害が複雑に絡み合う地政学の要所。その中で、北朝鮮は核の脅威を用いた強硬姿勢と、“ほほえみ外交”ともいわれる融和政策を巧みに使い分け、したたかに金一族の独裁体制を維持している。

最近、わが国企業の役員報酬が増えている。2018年3月期、1億円以上の報酬を手にした役員(取締役、執行役、監査役など)の数は538人に達した。しかし、海外企業に比べると、まだまだ役員報酬の格差は大きい。

米国のハーレー・ダビッドソンが、欧州向けオートバイの生産を米国外に移転すると表明した。その目的は、EUが、トランプ大統領の強硬な貿易政策に対応してとった報復関税措置を回避することだ。

メルカリが上場した。同社には、輝かしい将来性があることは間違いない。その一方、将来のためにやらなければならないことも多い。海外事業の拡充のためにも法令遵守の体制を強化し取引環境を整備しなければならない。

米朝首脳会談の結果で、まず感じることはトランプ大統領が北朝鮮に大きく譲歩したということだ。北朝鮮の核開発停止については、具体的なプロセスが示されなかった。一方、米国は北朝鮮の金政権の体制維持を保障するなど、中国に後押しされた金正恩委員長が“ほくそ笑む”姿が目に浮かぶ。

台湾の鴻海(ホンハイ)傘下のシャープは、東芝からパソコン事業を買収すると発表した。冷めた目でこの発表を受け止めた人は少なくないだろう。しかし、鴻海には、明確な戦略的意思がありそうだ。

紆余曲折を経て、現時点での予測では、6月12日にシンガポールで史上初の米朝首脳会談が開催される予定だという。しかし、専門家によると「本当に実のある会談が実現するか否かはよく分らない」との指摘が多い。

米国の地位は徐々に低下する一方、中国は世界の覇権国への道を着実に歩んでいる。わが国は、世界のスーパーパワーである米・中両国の覇権国争いが激化する中で、今後自力で生き残りの道を模索しなければならない。
