
町田 徹
第62回
国家公務員制度改革は「改革に反対する官僚たちの圧勝」に終わる可能性が非常に高まっている。今回のコラムでは、総務官僚がまんまと焼け太りに成功する見通しの「内閣人事局」の問題と、相変わらずの屁理屈で同局への機能移管に激しい抵抗を続ける人事院の問題に焦点をあてて、政治家と官僚のケーススタディをしてみたい。

第61回
世界はオバマ大統領の就任に沸きかえった。しかし、この歓喜の渦とはあまりにも対照的なことに、同じ日、ニューヨークの株式市場はダウ工業株30種平均が前週末に比べて300ドル以上も急落する事態に陥った。

第60回
国民の財産だった「かんぽの宿」をオリックスグループにまとめて売却する計画が暗礁に乗り上げている。このトラブルに賛否両論が湧き起こり騒ぎが大きくなる一方だが、両論がそろって見逃している大事なポイントがある。

第59回
オバマ新大統領の雇用拡大策としてメディアが報じてきたのは、減税、道路、低炭素ビジネスの3つである。ところが年明けになって、政権移行チームが意外な柱を検討していることが明らかになってきた。

第58回
麻生太郎内閣は、総額88兆5480億円という過去最大規模の一般会計を柱にした09年度政府予算案を決定した。今回の予算案が、国民にとって、魅力的なクリスマス・プレゼントに映ったと言えるだろうか。

第57回
日本企業は今、メガバンクに融資を求めて殺到している。驚くべきことに、その融資希望額は合計で「肌感覚だが、メガバンク各行の融資能力の30倍前後に達している」(金融当局関係者)という推計も聞かれるほどだ。

第56回
麻生首相は効果が期待できる経済政策より、公務員優遇手当の新設や金融機関の経営者擁護を優先して、国民の血税をドブに捨てようとしている。20%台前半に落ち込んだ支持率がさらに下がるのは確実な情勢だ。

第55回
ビッグ3からデトロイト3と見下される立場に凋落した米自動車大手3社は2日、米議会に“再建計画”を提出した。それらに共通する特色は、なんとか政府の救済を受けようとして、あの手この手の媚びを売った点だろう。

第54回
前例の無い大規模な金融機関の救済策を相次いで米金融当局が打ち出したにもかかわらず、米国市場の動揺は収まる兆しがない。市場の関心は、次に経営危機が表面化するのはどこかという話題に集中しているという。

第53回
NTTドコモとauは来年前半にもスマートフォン「グーグル携帯」を投入する方針を固めた。しかし、この携帯のオープン性は、これまでの携帯各社の「垂直統合型ビジネスモデル」と競合するのが確実とされる。

第52回
米大統領・議会選挙での圧倒的な勝利に酔って、経済対策での大盤振る舞いを目論むオバマ次期政権と民主党。経済対策の真水の規模が、「5000億ドル(50兆円)ぐらいに膨らむかもしれない」との観測が強まってきた。

第51回
弱冠47歳のバラク・オバマ氏が4日の大統領選挙で、72歳の老練な政治家ジョン・マケイン氏を破って米国史上初の黒人大統領の座に就くことが決まった。オバマ氏は、国際社会の緊張や米ロ関係より遥かに切迫した課題に直面している。ヘッジファンドの破綻がきっかけで再び金融資本市場が大混乱に陥るのではないかという「11月・12月危機説」の火消しをすることが、その課題である。オバマ氏の最初の試練は、今月14、15の両日に予定されるG7、G20レベルの緊急サミット。来年1月20日の就任式を待たずに、オバマ氏に重責がのしかかろうとしている。

第50回
公務員制度改革が11月半ばにかけて、最大の山場を迎える。改革の目玉として新設することになっているのが「内閣人事局」。このまま官僚ペースで進めば、内閣人事局は、改革とは名ばかりの存在に成り下がる。

第49回
新たに開放されるBSデジタル放送の周波数に、利用可能なチャンネル数の軽く10倍を超す参入希望が殺到している。「追加経済対策」よりも、こうした知恵を絞った経済構造改革こそ重要だ。

第48回
そのあまりの無能振りから、ごく最近まで「サブプライム(信用力の劣る)首相」と揶揄されてきたイギリスのブラウン首相が一転、歴史的な経済危機から世界を救った最大の功労者として賞賛を集めている。英政府が他の先進各国に先駆けて、主要銀行への資本注入に踏み切るリード役を果たしたからである。世界的な恐慌の嵐が荒れ狂った“暗黒の10月”が今週初め沈静化の兆しを見せたのだった。それにしても、このサブプライム首相に華麗なる変身を迫った秘密はいったいなんだったのか。そして本当に、世界は歴史的な経済危機の封じ込めに成功したのだろうか。

第47回
米下院は6日の公聴会で、破綻したリーマン・ブラザーズのCEOだったリチャード・ファルド氏を追及。過去8年間に現金やストックオプションをあわせて3億5000万ドル相当の報酬を得ていた事実を明らかにした。

第46回
かねて懸念された通り、国家公務員の制度改革を骨抜きにしようとする動きが本格化してきた。官邸官僚は、会議で平然と詭弁を弄したり、議事から不都合な部分をカットしたり、権謀術数の限りを尽くしている。

第45回
ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーはFRBの承認を得て、「銀行持ち株会社」に転換する方針を打ち出した。これにより、投資銀行業は、資本主義国の米国から消滅することになる。

第44回
米国では9月14日を、大恐慌の幕開けとなった1929年の「ブラック・サーズデー」になぞらえて、「ブラック・サンデー」と呼び始めた。この危機は、どのようなメカニズムで引き起こされ、誰が責めを負うべき問題なのか。

第43回
総裁選レースの先頭を走る麻生太郎・自民党幹事長は、霞が関では誰一人知らぬ者がないほど公務員改革嫌い。メディアが麻生氏の優位を伝えれば伝えるほど、抵抗勢力はほくそえみ、陰謀を膨らませている。
