
町田 徹
第42回
福田康夫首相の突然の「政権放り出し宣言」をきっかけに、新たな政権作りが始まった。日本だけが時代遅れの「大きな政府」へ回帰するリスクも小さくないはずだ。これは、日本経済にとって最悪のシナリオの一つだろう。

第41回
政府は改正貸金業法の09年完全施行に代表される、個人の資金繰りを悪化させかねない過剰規制を進めており、沖縄では戦後最大の倒産劇という地元信販会社オークスの破綻が表面化した。

第40回
携帯電話が販売不振に陥った責任は総務省にある。これは官製不況だ…。こんな不満の声が相変わらず携帯電話機メーカーの間にくすぶっている。販売慣行見直しのきっかけを作った総務省に責任を転嫁しているのだ。

第39回
世界第3位の鉄鉱石サプライヤーである英・豪系のBHPビリトンによる同2位のリオ・ティント買収問題を巡って、公正取引委員会の対応に対する不満が高まっている。

第38回
日本政府は、農業自由化を免れたと喝采する抵抗勢力の声に惑わされてはならない。むしろ農業保護の整理・縮小を進めることが大切だ。多国間交渉と2国間交渉の両方を加速する2正面作戦が求められている。

第37回
孫正義ソフトバンク社長が電気通信事業の経営者としての矜持を問われている。きっかけは筆者が『週刊現代』に寄稿した「ソフトバンク第2世代携帯400万台のセキュリティが破られていた」という記事だ。

第36回
ポールソン米財務長官が緊急記者会見を行い、ファニーメイとフレディマック、住宅公社2社の救済法案の審議を急いでいる。ついこのあいだまでグズグズしていたブッシュ政権が慌てて動き出した本当の理由を探った。

第35回
洞爺湖サミットが9日閉幕し、G8は「第3次オイルショック」「食糧危機」「米プライム・ローン危機」「新興国の成長神話の崩壊」と、連鎖的に増幅する世界的危機に対してまったく無力であることを露呈した。

第34回
ソフトバンクの「期待の星」iPhone発売が7月11日に迫ってきた。連結ベースで3兆7101億円の負債、しかも低いARPU(1人あたり通信量収入)に苦しむ同社の収益力を改善する力が本当にあるのか検証する。

第33回
ゆうちょ銀行のトップとその秘書の人事について、合法性や妥当性を問う炎が国会で燃えている。焦点の人物は、高木祥吉社長と、同社長が大蔵省・金融庁時代から重用してきたという女性秘書の2人だ。

第32回
地デジ複製回数が10回に拡大される「ダビング10」の実施が7月5日をめどに実施される見通しとなった。だが土壇場で関係者が利害に固執し、1ヵ月以上も実施が遅れたことは実に多くの教訓を残した形となっている。

第31回
問題の入札制は、コンテンツ提供事業者に、iモード公式サイトのメニュー上の掲載位置を競わせようというもの。関係者によると、こうした商法は、「コンテンツ利用料を押し上げかねない」側面がある。

第30回
ついに最悪のシナリオだったスタグフレーションが現実味を帯びてきた。原油・資源市況の高騰が勢いを増し、製品・サービス価格への転嫁が進み始めた。物価高騰は個人消費や設備投資の冷え込みを助長する。

第29回
一般財源化を打ち出した道路特定財源を巡って、厚顔無恥としか言いようのない獲得合戦が始まった。そもそも、この混乱の原因が、首相自身の指導力の乏しさや経済政策オンチに起因することは見逃せない。

第28回
道路財政特別措置法が衆議院本会議で再可決され、成立した。これは福田首相が公約した一般財源化と明らかに矛盾する。連立与党に再考を促せなかった点で、首相に指導力がないことを浮き彫りにした。

第27回
胡主席があえて日本を外遊先に選んだことは、「北京五輪を控えて、米欧に比べてうるさいことを言わなさそうな福田政権が好都合のパートナーに過ぎなかった」(国際政治アナリスト)というのである。

第26回
自民党のネット規制“高市法案”に対し、ヤフー、マイクロソフトなどネット関連5社が反対意見書を同党に提出した。自民党の山口総務部会長は関連業界に自主ルール整備を義務付ける対案をとりまとめた。

第25回
今回の騒動で政府が批判されるべきことがあるとすれば、それは5年前の同社の民営化だろう。今回の問題の教訓は、社会インフラに対する日本の防衛法制がなんとも脆弱であることを浮き彫りにした点にある。

第24回
KDDIは3月末、かねて経営目標に掲げてきたau携帯電話の3000万契約を達成した。にもかかわらず、華々しく前面に、その成果を打ち出すのを控えざるを得ない事態に陥っている。

第23回
自民党は「有害情報の規制」法案をとりまとめた。論議が拙速だったうえ、できあがった法案も乱暴な内容だ。国民の「表現の自由」と「知る権利」を阻害する恐れが非常に強いという問題もある。
