
鈴木貴博
中国の研究チームがクローン猿を誕生させることに成功した。霊長類のクローンが誕生したのは初めてのことであり、今後は「クローン人間」への応用など、倫理問題に関する議論が再燃しそうだ。しかし、真に危惧すべきはそこではない。

株もビットコインもマンションも加熱気味のなか、バブル崩壊に巻き込まれまいと資金の「手仕舞い先」を探す人々が増えるだろう。しかし、経済的に見ると今の金融の仕組みは昔のように単純ではない。投資家はどこへ避難すればいいのか。

今年の大学入試センター試験の地理Bで『ムーミン』に関する問題が出題され、物議を醸している。「出題ミスではないか」「そもそもこんな知識が必要なのか」というものだ。しかしこれ、よく見るとかなりの「良問」であることがわかる。

「有害化学物質9割減」をうたう加熱式タバコが大ブームで、愛煙家がこぞって移行している。しかし、そんな加熱式タバコにも、受動喫煙防止を訴えるバッシングの波が及んでいる。嫌煙家から見ても、この状況はさすがに行き過ぎの観がある。

フジテレビの凋落が止まらないと報道されている。だが、調子がいいテレビ局と調子が悪いテレビ局の差などもはやない。テレビ業界はすでに想像以上の構造不況業種だからだ。近い将来、民放テレビ局がすべて「負け組」になってしまう3つの理由を分析する。

第52回
新幹線「のぞみ」の台車に亀裂が入っていたことが発覚。あわや大惨事寸前で、新幹線として初の「重大インシデント」に認定された。関係者がはじめから気付いていたリスクはなぜ野放しにされたのか。モラルが脱線しがちな現場の特徴を考える。

中国人の消費者に対する意識調査を基に、メディアで「中国人が行きたい国の1位が初めて日本になった」といった報道がなされている。ただ、これは中国人の本音を正確に言い表しているだろうか。よく調べると、報道には勘違いも感じられる。

ビットコインの価格がこの1年で10倍になった。今やバブルの様相を呈したビットコインに対して、「バブルが崩壊するのでは」というリスクが語られている。しかし、冷静に分析すると、今のビットコインバブルはむしろまともとも言える。

日馬富士暴行事件は、横綱の引退表明で幕を引いた。残されたのは貴乃花親方の問題だ。相撲協会との対立が深刻化した今、貴乃花が角界の「ガチンコ改革」を行うのは難しい。しかし、起死回生の策はある。それは「ハーバード流交渉術」だ。

大相撲の横綱、日馬富士による暴行事件に関して、足もとでは貴乃花親方の責任も問われ始めた。本来であれば正しいはずの貴乃花の行動は、どこに課題があったのか。一般的な組織の力学で考えると、その理想と現実との間には小さからぬギャップが見える。

東芝がテレビ事業子会社を中国電機大手に売却すると発表した。収益の稼ぎ頭だった半導体事業の売却もあり、東芝は解体によって低収益企業になる。しかし、投資家はいざ知らず、社員にとって解体後の東芝は「悪くない会社」になるかもしれない。

財務省によれば、金塊密輸による脱税額が過去最高額になったという。金ののべ棒を消費税のかからない国で買って持ち込んで売ると、消費税分だけ儲けることができるからだ。実は投資商品には、消費税によって損得が大きく変わるケースがある。

ソニーは2018年3月期の連結決算における営業利益の見通しを、大幅に上方修正した。復活の牽引役は、画像センサーという半導体製品だ。これから同社に必要なものは何だろうか。

ユニクロの業績が、ひょっとするとさらによくなるかもしれない。ユニクロは在庫の多さが課題だったが、それを圧縮し、利益率を大幅に向上させることが可能な商品戦略にシフトしつつあるように見えるからだ。秋冬商戦に見る「変化」を探る。

神戸製鋼や日産自動車が「不正」問題で揺れている。しかし、これらの不祥事を取り巻く空気は奇妙である。安全に問題がないとされる一方、我々には消えない不安だけが残される。不祥事発覚後の企業に「責任のなさ」感が醸し出される背景には、何があるのか。

東京商工リサーチが発表した2017年度上半期の企業の倒産件数が、9年ぶりに前年を上回った。全国での倒産の増加率はわずかだが、実はその背景に不安な構造変化が垣間見える。都市部では今、とにかく人手が足りないのだ。

ラスベガスで、前例がない数の死者を出す悲惨な銃乱射事件が起きた。本当に怖いのは、乱射事件後に起きる米国社会の反応だ。銃社会で暮らす米国民は、日本人が考えもつかないような防衛本能を持っている。国として外交に臨むときも同様だ。

楽天がフリーテルを買収し、格安スマホ加入者数で業界3位へと浮上する。しかしフリーテルは大赤字を抱える企業だ。果たして、楽天にとって意味のある「買い物」なのか。コンサル目線で見ると、実は楽天にとって計り知れないメリットがある。

第52回
9月19日に今年の全国の基準地価が発表された。地価全体の平均数字だけは、昨年とそれほど変わらないように見える。しかし、その中身は以前と違っている。基準地価から読み解く、将来有望な意外な人気エリアのトレンドを読み解こう。

最近、世に出回る「子どもが将来なりたい職業」についての調査結果は、大人から見ると衝撃的な内容だ。たとえば、男子中学生のなりたい職業は、ITエンジニア・プログラマー、ゲームクリエイター、ユーチューバーなどの動画投稿者である。これはどんな世相を反映しているのか。
