船木春仁
#5
シニアの定年後の移住地として日本で最も人気があり、60歳以上人口の社会増が多い静岡県伊東市。新型コロナ禍で起きた“移住バブル”で物件が払底している。

#3
住宅は、残す側にも、残される側にも頭の痛い問題。リノベーション(改修)で再販される中古住宅が増えたが、そこでも「商品性向上対策」が不可欠だ。売れる家にするためのリフォームのポイントとは?

#3
訪問介護を担うホームヘルパー制度が危機に直面している。安定せず、少ない給与(報酬)から、なり手がいないため高齢化も進む。背景にあるのは、「労基法無視」の構造問題だ。

2014年から15年にかけて引き起こされたロッテグループの経営権をめぐるクーデター、つまり二男が、後継者とされていた長男のすべての役職を解き、創業者である父さえも実質的に棚上げするという事件では、事業承継に関わるいくつかの教訓が導き出されている。私たちはそれを7つに集約したが、本連載第11回では、一つ目から三つ目までの教訓について紹介した。今回は、残りの4つについて解説していきたい。

#19
老いた犬や猫を預かりみとる「老犬・老猫ホーム」の事業者が増加している。飼い主ともども、穏やかな晩年を実現する仕組みだが、費用もそれなりにかかる。“老舗”の様子とともに、老犬・老猫ホームの料金と賢い選び方を取材した。

#11
シニアの婚活が盛り上がっている。特に55歳以上で結婚経験のない男性の“積極さ”が際立っている。結婚相談所だけでなくマッチングアプリも、シニア婚活という新市場に期待をかける。

#10
死後に生前の意思を実現できる終活支援サービスを充実させる地方自治体が増えている。なぜ自治体が手掛けるのか、またどこまで拡充するのか。2021年度末の「終活登録」が500件を超えた神奈川県横須賀市など、先進の自治体の事例から探る。

日韓にまたがる巨大財閥、ロッテグループを創り上げた重光武雄。起業から韓国の5大財閥の一角にのし上がるまでの人生は、まさに「今太閤」を思わせる立身出世の歩みだった。しかし晩年は、二男のクーデターによって、後を託すはずだった長男への事業承継に失敗し、自らもまた実権を奪われ寂しい余生を強いられた。稀代の経営者も事業承継の失敗で晩節を汚すことになってしまったのである。周到な事業承継の準備を進めてきたにもかかわらず、なぜ武雄は承継に失敗したのか。そこからはいくつかの教訓が浮かび上がる。

第10回
クーデターによって日韓ロッテグループの経営権を手にした創業者の次男、重光昭夫。以来7年、経営者としての力を証明するには十分な時間が過ぎた。しかし、日韓のロッテグループは、長い低迷から抜け出せないでいる。米コロンビア大学でMBAを取得した昭夫は「プロ経営者」としての強い自負を持っているだろうが、経営成績を見る限り、及第点には到達していない。

第9回
創業者である父・重光武雄と後継者の兄・宏之の寝首を掻いて、すべての役職を奪ってロッテグループから追放してしまった昭夫。「父・兄弟殺し」の汚名にひるむことなく、肉親を躊躇なく地獄に蹴落とせる“モンスター”を、子煩悩として知られた武雄がなぜ生み出してしまったのか。その謎を解く鍵は、昭夫をクーデターへ駆り立てる原因となったであろう、武雄と宏之に対する昭夫の積年の鬱積した愛憎と、自分の身を焦がし続けてきた昭夫の強すぎる「承認欲求」と「失敗恐怖」ではなかったのだろうか。

第8回
30年かけて築いた資本防衛策を二男の昭夫と、その「手下」のロッテホールディングス(HD)社長の佃孝之、専務CFOの小林正元の3人組にやすやすと攻め崩されてしまった重光武雄。3人は一貫して共謀の事実を否定しているが、昭夫らクーデター3人組が周到に準備を重ねた「天地人」の攻めがなければ、下剋上など不可能であったことは誰の目にも明らかだ。わずか1年で長男の宏之と武雄からすべての地位を剥奪し、グループからの追放を果たした魑魅魍魎の糾合はどうやって行われたのか。その経緯と背景を探ってみよう。

第7回
ロッテグループの創業者であり、オーナーだったはずの武雄は二男の昭夫によっていとも簡単に、すべての地位を剥奪され、追放されてしまう。それを可能にしてしまったのは、武雄が30年かけて行ったグループの資本の資本関係の再編成だった。ロッテ経営の最大の懸念事項であった武雄の相続と事業承継の問題、そして日韓で複雑に交差するいびつな資本関係を解決すために行ったはずの資本政策が、昭夫らクーデター組にとって絶好の陥穽を生み出していたのだ。果たして、武雄が晩年を捧げて行った資本再編とは何だったのだろうか。

第6回
「お前にロッテを経営する才能はない」と二男・昭夫に引導を渡した重光武雄。その5日前には、後継者の長男・宏之の追放を仕掛けた日本のロッテホールディングスの社長と専務にもクビ宣告しており、これでクーデターは失敗に終わり、ロッテに再び平和が訪れるはずだった。だが、先の社長と専務、そして昭夫は武雄の命令に従わず、公然と反旗を翻した。怒った武雄は日本のロッテ本社に直接乗り込み、“反乱軍”を一度は鎮圧するものの、結局は彼らの返り討ちに遭い、ついにはロッテグループから追放されてしまうのだった。

第5回
後継者である長男の宏之追放というクーデターを仕掛けた日本のロッテホールディングスの社長と専務をクビ宣告で瞬殺した重光武雄。そのクーデター劇の“共謀者”である二男の昭夫が中国事業で巨額の赤字を垂れ流している事実をつかんだ武雄は、それが宏之追放の動機になったと確信する。かたや昭夫はメディアを通じて、自身をロッテの新リーダーとして一方的に世襲完了のアピールを始めた。もはや、武雄と昭夫の衝突は必然のものとなり、そしてついに武雄が昭夫に引導を渡す断罪の日がやってきた。

第4回
ロッテグループの総帥である武雄に、長男の宏之が独断で進めた事業で大損したというウソの報告を繰り返すことで、宏之の追放に成功した佃孝之・ロッテホールディングス社長(肩書は当時、以下同)と小林正元専務。だが、その悪だくみに気付いた武雄は、彼らを糾弾する“査問会”を開き、クビ宣告で“瞬殺”する。だが、査問会で明らかになったのは、二男の昭夫もまたクーデターの首謀者の一人ということであり、ここから武雄・宏之親子と昭夫・佃・小林のクーデター3人組の対立が先鋭化していく。

第3回
日韓を股に掛ける巨大財閥を裸一貫から築いたカリスマの重光武雄。その後継者として、事業承継が行われるはずだった長男の宏之。その二人から経営権を奪い、ロッテグループから追放するクーデターを起こし、後継者の座を奪取した次男の昭夫。創業者と後継者を追い落とすシナリオに基づき、蜘蛛の巣のように巧妙な罠が張り巡らされていた。このクーデターの最初の号砲となったのは、創業者武雄の「天の声」だった。ロッテの骨肉の争いを巡る陰謀の裏側を明らかにしよう。

第2回
ロッテにおける事業承継をめぐる騒動の原因を探る際に、一つ忘れてならないことがある。それは韓国の財閥が内包している構造的な問題だ。その成り立ちや、李氏朝鮮時代からの伝統的な考え方などが絡み合いながら相続が「争続」になりやすい背景を生み出しているという。韓国経済の分析家として著名なジェトロアジア経済研究所の安倍誠・新領域研究センター長に、財閥における事業承継の課題などを聞いた。

第1回
ピーク時には連結売上高が7兆円に迫った大財閥ロッテグループを一代で築き上げた重光武雄(韓国名・辛格浩=シン・キョクホ)。売上高のほとんどは韓国のロッテグループによるものだが、日韓のグループ経営の支配権は、日本のロッテホールディングス(ロッテHD)が握っていた。武雄は、長男、宏之に事業承継を行うべく準備をしていたが、二男の昭夫は、兄はおろか創業者である父をも放逐してロッテグループの経営権を握った。しかしロッテHDの31%超の株式を、宏之が筆頭株主である資産管理会社「光潤社」が握り、経営権は支配できた握ったものの資本支配はできていないといういびつな構造が続いている。数十年をかけて準備してきた様々な事業承継策がどのように覆され、二男による“クーデター”を可能にしたのか。そこからは事業承継にかかわる重要な教訓が浮かび上がってくる。

「2期生にはどんな子たちが応募してくるのだろうか」――。関係者だけでなく、その財団の存在を知る人たちからも関心が高まっている。「孫正義育英財団」の2期生応募の締め切りが明日2月28日に迫っているのだ。

第7回
ドラッカー関連記事、これまでの人気ベスト5 栄えある【第1位】星野リゾート代表が語る「差別化は、自分のこだわりに立脚する以外にない」
今、激動の時代だからこそ、時代を超える普遍の著作に学ぶ――50近くに上るドラッカー著作のうち、すでに絶版となってしまった初期の“記念碑的作品”8タイトルを、電子書籍限定で復刊。ドラッカーの功績を振り返るとともに、過去にダイヤモンド・オンラインに掲載されたドラッカー関連記事のうち、PVベスト5を紹介する。
