
2022.7.27
ECBが利上げと同時に決めた、新たな「国債買い入れ手段」導入の隠れた狙い
ECBの新たな国債買い入れ手段導入は不可解な点があるが、利上げペースなどをめぐる意見の違いを乗り越えて金融正常化を円滑に進める狙いやウクライナ侵攻に対する結束を演出する狙いがあるとみられる。
野村総合研究所金融ビジネスリサーチ部シニアチーフリサーチャー
1985年、日本銀行に入行。外国為替課長、国際金融為替市場担当参事役などのほか、福井俊彦総裁秘書や政策審議委員専属スタッフを務めた。08年に野村総合研究所に入社、国内外の金融市場やマクロ政策を調査するとともに、研究者や実務家らによる「金融市場パネル」を運営し、先進国を中心に金融政策や金融システム安定化策などの分析、評価をしている。61年生まれ。
2022.7.27
ECBの新たな国債買い入れ手段導入は不可解な点があるが、利上げペースなどをめぐる意見の違いを乗り越えて金融正常化を円滑に進める狙いやウクライナ侵攻に対する結束を演出する狙いがあるとみられる。
2022.6.1
円安と輸入物価上昇が続き「量的・質的金融緩和」への批判が強まるが、この10年の「壮大な実験」によるインフレ期待醸成の効果や財政政策などとのポリシーミックスの功罪を総括する良い機会だ。
2022.3.30
長期金利の上昇抑制に日本銀行は「指し値オペ」を実施したが、金利上昇は金融政策正常化に踏み出した欧米からの波及だけに限界がある。いまのYCCの枠組みを維持するなら、ほかにも工夫が必要だ。
2022.2.2
FRBは遅くとも年央には保有国債減額などの「量的引き締め」を始めるが、長期金利の急騰などの金融市場の不安定化を避けながら資産の縮小を進めるには市場との密接な対話が鍵だ。
2021.12.8
量的緩和策の修正とその後の利上げに市場の関心が強まるが、欧州中央銀行は市場との対話で難題を抱える。複雑なフォワードガイダンスがECB内や市場との認識の一致を難しくしていることだ。
2021.11.5
FRBがテーパリング開始を決め、次の焦点が利上げだが、利上げに慎重とされるパウエル議長と市場とでは温度差がある。円滑な利上げは物価上昇の認識や見通しを市場といかに共有するかが鍵になる。
2021.10.13
岸田新政権の「分配重視」の政策が効果を上げるためには、成功へのインセンティブを阻害しないことや雇用機会や投資成果の享受での公平さに配慮することが重要だ。
2021.8.18
気候変動問題の対応やデジタル通貨の議論で出遅れた日本だが、温暖化の影響分析やデジタル通貨の下での金融システム安定策の提案などで国際標準づくりに関与し国益を確保する余地はある。
2021.6.23
6月FOMCで2023年中の利上げ開始予想が多数派を占めたが、利上げが進んでも最高到達点は2%台前半と予想される。FRBが政策金利のゼロ制約から十分に離れることは難しそうだ。
2021.4.21
コロナ後、日米のインフレ率の格差が広がると予想される中で、経済政策は、円安で輸出企業の投資や収益を支えるのか、円高で内需企業や家計の実質購買力を支えることに重点を置くのか、難しい選択に直面する可能性がある。
2021.3.22
日本銀行は長期金利の変動幅の明記や新たな付利制度創設などの“政策見直し”を発表したが、将来の機動的な金融緩和の余地を残すなど、緩和の長期戦を意識したものになっている。
2021.2.24
「量的緩和」策の金融政策としての評価は分かれるが、この20年でわかったのは、「解除」には相当な時間がかかりその間に次の危機が来て緩和が長期化する上、政策自体に資産価格を押し上げ危機を生む要素を内包することだ。
2020.12.30
2021年の金融政策は景気回復をメインシナリオにしたものになるが、市場が正常化を過度に先読みしたり、逆に緩和が長引くと深読みしたりする恐れがある。無用の混乱を避け政策効果を生むには「市場との対話」が重要だ。
2020.11.20
バイデン新政権の最優先の経済政策課題はコロナ禍からの景気回復だが、大規模経済対策の財源として選挙公約に掲げた増税は難しそうだ。FRBの国債買い入れに頼ることになれば新たなリスクを抱える。
2020.11.4
日本銀行が実証実験を始める中央銀行デジタル通貨が現実になれば、円は国際通貨圏の一部に組み込まれることもあり得る。仮にそうなっても、政府債務の実質負担を増やさないために財政規律を維持することが重要だ。
2020.9.9
先進国はコロナ後もかなりの期間は政策金利がゼロまたはマイナス金利が続く見通しだ。高インフレの懸念はなさそうだが、経済成長力の低下や金融市場の不安定化のリスクを共有することが重要だ。
2020.7.15
中国株価の上昇はコロナ禍からの中国経済の回復を反映したものだが、中国政府にとっても海外投資家からの外貨で国内金融システムを安定させることができ、また米中摩擦で米国に対抗措置がとれる政策的意味合いを持つ。
2020.5.27
日本銀行が追加で打ち出した企業金融支援策は、コロナショックで売り上げが落ちた中小企業や個人事業主への無利子融資を後押しするためだが、利ざや縮小にあえぐ小規模な地方銀行などの収益支援の狙いもある。
2020.5.20
コロナショックで日本銀行が打ち出した国債無制限買い入れは「財政ファイナンス」ではないが、大規模財政支出を中央銀行が支えることが常態化すれば、民間経済の活力を損ない最終的には国債や通貨の信認が低下するリスクがある。
2020.3.18
新型コロナウイルス問題では情報不足から政策当局への不信感が強いことが問題解決を遅らせているが、コミュニケーションが重要な点で金融危機時と共通点が多い。「次の危機」に備えて他山の石とすべきだ。
アクセスランキング
「とにかく疲れを取りたい」ときに! 丸ごと焼くだけでごちそうになる、今が旬のすごい野菜とは
アンパンマンの「起源」はここにある…脚本家・中園ミホが最初に「書きたい」と言った戦争と善意の15分【あんぱん第58回レビュー】
中居正広「女性トラブル」を一刀両断、最も無責任な“あり得ない”関係者とは〈2025上期5位〉
「ゆうパック」はどうなる?日本郵便の「不適切点呼」で露呈した「さらに深刻な問題」とは
「絶対に採用しちゃいけないNG人材」無能な社員よりずっとヤバイ3つのタイプとは〈2025上期・会員ベスト6〉
年収が高い会社ランキング2024【従業員の平均年齢40代後半・191社完全版】年収1000万円超の16社とは?
【もうやめたい!】「快楽の奴隷」になってしまう人の毎日の悪習・ワースト1
「国公立大卒のほうが私立大卒より評価されるのはどうしてですか?」。学歴評価のロジックを考える
「ゆうパック」はどうなる?日本郵便の「不適切点呼」で露呈した「さらに深刻な問題」とは
そりゃ成長しないわ…日本企業で「リスクを避ける打算的な社員」が増えたワケ
早死にしたくない人が、バターの代わりに使っているもの【22万人を33年間追跡調査】〈再配信〉
「健康のつもりで飲んでたのに…」糖尿病リスクを高める「意外な飲み物」とは?【11万人のデータを解析】〈再配信〉
そりゃ日本が見捨てられるわ…中東における「日本離れ」を加速させている犯人の正体
病気になりたくなかったら、真っ先にやめたほうがいい食事の習慣とは?【書籍オンライン編集部セレクション】
インドから帰国する機内、激しい腹痛で気絶した日本人が「5つ星ホテルの朝食」で口にした“水以外”の飲み物とは?
武田薬品・アステラス・第一三共…24年度「減益予想」が一転、大幅増益だったのはどこ?
日本製鉄のUSスチール買収は完全子会社化で決着!3.6兆円ディールに日鉄が支払う「代償」とは?
有名投資家が最近「銀」を買った理由、最高値更新「金」の賞味期限もズバリ予測!〈注目記事〉
日高屋会長がクビにした2人の社員「労働基準法に引っかかって裁判にかけられてもいい」と決断したワケ〈2025上期9位〉
三菱電機が「新卒で年収800万円」も可能に!パワハラや検査不正の病根を撲滅する“人事制度・組織改革”の全貌