井上哲也

井上哲也

野村総合研究所金融ビジネスリサーチ部シニアチーフリサーチャー

1985年、日本銀行に入行。外国為替課長、国際金融為替市場担当参事役などのほか、福井俊彦総裁秘書や政策審議委員専属スタッフを務めた。08年に野村総合研究所に入社、国内外の金融市場やマクロ政策を調査するとともに、研究者や実務家らによる「金融市場パネル」を運営し、先進国を中心に金融政策や金融システム安定化策などの分析、評価をしている。61年生まれ。

コロナ問題と共通点が多い金融危機、「他山の石」とし次に備えよ
井上哲也
新型コロナウイルス問題では情報不足から政策当局への不信感が強いことが問題解決を遅らせているが、コミュニケーションが重要な点で金融危機時と共通点が多い。「次の危機」に備えて他山の石とすべきだ。
コロナ問題と共通点が多い金融危機、「他山の石」とし次に備えよ
日米欧が金融緩和しても株価の不安定が収まらない理由
井上哲也
“コロナショック”に対して16日までに日米欧の中央銀行が「金融緩和」措置を打ち出したが、市場の不安定が収まらないのは、政策目的の優先順位での足並みの乱れや景気回復支援で有効な手段が見えないことがある。
日米欧が金融緩和しても株価の不安定が収まらない理由
FRBが「国民との対話」で得たものと失わないように気を付けるべきもの
井上哲也
FRBが金融政策の枠組み見直しの一環で進める経営者や消費者との対話集会で、超緩和政策について「雇用の最大化」では評価されたものの「物価の安定」では必ずしも満足が得られず、2つの政策目標で評価が分かれた。
FRBが「国民との対話」で得たものと失わないように気を付けるべきもの
ラガルド新総裁が早くも直面したECBの「根源的問題」
井上哲也
金融資産買い取りの再開以降、ECB内で続く意見対立は政策決定の枠組みをめぐる議論になり始めている。加盟国の経済状況は違うのに金融政策は統一という根源的な課題にラガルド新体制は早々に向き合うことになった。
ラガルド新総裁が早くも直面したECBの「根源的問題」
中央銀行が「先行きの政策運営」を再び語る日はあるか
井上哲也
日米欧の中央銀行が相次いで政策決定の会合を開いたが、「先行きの政策運営」方針はそろって示さなかった。経済の先行きが読めないだけに金融政策の柔軟性確保を優先したが、こうしたやり方は一時的なものだろう。
中央銀行が「先行きの政策運営」を再び語る日はあるか
再び緩和を打ち出したECBの量的緩和にはまだまだ工夫の余地がある
井上哲也
7月の理事会で再び金融緩和の方向にかじを切ることを決めた欧州中央銀行(ECB)は、課題の多いマイナス金利の深掘りより工夫を凝らした量的緩和の活用を模索すべきだ。
再び緩和を打ち出したECBの量的緩和にはまだまだ工夫の余地がある
“手詰まり”の日銀が次の景気後退に備える一手「タームオペ」とは
井上哲也
次の景気後退に打つ手が限られる日本銀行だが、長期資金を金融機関に貸し付ける「タームオペ」は活用の余地がある。長期国債購入による資金供給より柔軟性がある点で「持久戦」にふさわしい手段だ。
“手詰まり”の日銀が次の景気後退に備える一手「タームオペ」とは
トランプ大統領の“金融緩和圧力”にFRBが対応する方法
井上哲也
利下げや量的緩和再開など、トランプ大統領の“金融緩和圧力”が強まるが、FRBが金融政策の独立性を維持する方法はある。リーマンショックなどを機に膨らんだ金融政策への過度な期待を元に戻す、もう1つの「正常化」を進めることだ。
トランプ大統領の“金融緩和圧力”にFRBが対応する方法
米中摩擦解消の鍵は、米国が恐れる「中国製造2025」の行方
井上哲也
3月の「休戦」期限を前に米中協議は、貿易不均衡問題では前進の兆しがあるが、習近平国家主席肝いりの「中国製造2025」に対する溝は埋まらないとみられている。戦略的産業政策は悪いことなのか、この問題が米中摩擦の行方を左右する。
米中摩擦解消の鍵は、米国が恐れる「中国製造2025」の行方
初の金融安定報告で浮き彫り、FRBが抱える「3つの課題」
井上哲也
米連邦制度理事会が11月末、初めて金融システムの安定に関する報告を出したが、現状の分析では目新しいものはなかった。むしろ市場のプレイヤーの情報把握などに関するFRB自体の課題を浮き彫りにした。
初の金融安定報告で浮き彫り、FRBが抱える「3つの課題」
トランプの利上げ批判はFRBの「不都合な真実」を突いている
井上哲也
トランプ大統領が利上げを進めるFRB批判をエスカレートさせている。そのやり方はともかく、インフレ率が高くなく景気後退も近づいているのに利上げを続けることへの素朴な疑問として理解できる面もある。FRBは利上げのもう一つの意味について理解を得ることが重要だ。
トランプの利上げ批判はFRBの「不都合な真実」を突いている
日銀の政策修正で強まる「正常化論」の落とし穴
井上哲也
日銀の政策修正は異次元緩和からの「正常化の第一歩」との見方が出ている。だが日銀の次の一手は「2%物価目標」を実現しないままでの撤退ではなく、物価目標を修正しつつ金融緩和を継続することが考えられる。
日銀の政策修正で強まる「正常化論」の落とし穴
次の景気後退に備えた「利下げできる余地」作りは必要か
井上哲也
欧米の中央銀行が金融政策の正常化を進める大きな理由は、景気後退の際の利下げの余地を作るためだ。デフレから脱却できないままリーマンショックに見舞われた日本の経験を意識してのことだが、果たして「のりしろ」作りは不可欠なのか。
次の景気後退に備えた「利下げできる余地」作りは必要か
日銀保有国債を「特別目的会社」で管理すれば出口戦略の混乱は防げる
井上哲也
量的緩和策の「出口戦略」を進める際には特別目的会社の枠組みを活用するのも一案だ。中央銀行が保有国債を切り離して特別会社で管理すれば損益に関する透明性が上がり、市場の思惑を抑え混乱を防ぐ一助になる。
日銀保有国債を「特別目的会社」で管理すれば出口戦略の混乱は防げる
トランプが仕掛けた「貿易戦争」の抑止は日本の出番だ
井上哲也
トランプ米大統領が鉄鋼やアルミの輸入製品に高関税をかける方針を打ち出したが、秋の中間選挙をにらんだ政治的思惑が色濃い。日本は中国や欧州の報復合戦に拡大するのを抑える役割を果たすことだ。
トランプが仕掛けた「貿易戦争」の抑止は日本の出番だ
朝鮮半島有事や高齢化で米国の「双子の赤字」は蘇るか
井上哲也
2年目を迎えたトランプ政権の経済政策は財政赤字の動向が焦点になる。80年代の「双子の赤字」の再来となる可能性は少ないにしても、朝鮮半島有事や移民規制、保護主義政策など、トランプ大統領が打つ手次第で財政や貿易収支の振れ幅が大きくなり世界経済が不安定化するリスクはある。
朝鮮半島有事や高齢化で米国の「双子の赤字」は蘇るか
パウエルFRB新議長が直面する「前門の虎、後門の狼」
井上哲也
経済が堅調な中で就任する米FRBのパウエル新議長だが、景気拡大が長引けば緩和的な金融環境維持を求める大統領と衝突する恐れがあり、逆に景気後退となれば量的緩和策に懐疑的な与党共和党と対立しかねない。難しい舵取りが予想される。
パウエルFRB新議長が直面する「前門の虎、後門の狼」
本命が消えた次期FRB議長人事にトランプ大統領の影
井上哲也
次のFRB(米連邦準備制度理事会)議長人事が混沌として来た。再任の可能性も噂されたイエレン議長ら有力視された2人の候補の可能性が急低下したのは、トランプ大統領が求める政策とは違う立場だったからのようだ。大統領の介入の下で最適な人選ができるのか、米国の識見が試される。
本命が消えた次期FRB議長人事にトランプ大統領の影
米国経済、出口戦略を急ぐ裏で一般家庭の債務が急拡大の難局
井上哲也
「金融正常化」を進める米国FRBだが、足元の物価の上昇は鈍化している。それでも引き締めを急ぐ背景には、家計への与信の急拡大を懸念し始めている可能性がある。放置すればローンが不良化し金融システム不安になりかねないだけに、出口戦略は難しい舵取りだ。
米国経済、出口戦略を急ぐ裏で一般家庭の債務が急拡大の難局
金融緩和の「出口戦略」で見過ごされているリスク
井上哲也
10年近く続けられてきた金融緩和策の縮小に向けた「出口戦略」の議論が始まったが、利上げに転じた米国も含め「インフレ目標」は実際にはまだ達成されていない。目標実現前から手じまいを始める以上、市場に対してきちんとした説明が必要だろう。そうでなければ、次の景気後退の際には、政策の効果が弱まる。
金融緩和の「出口戦略」で見過ごされているリスク
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