永吉泰貴
開催のピークを迎える今年の株主総会では、「ESG(環境、社会、企業統治)」の「E」や「G」に関する株主提案が目立つ。そんな中、「S」に関する株主提案にも積極的なのが、新興アクティビストのナナホシマネジメントだ。今年の株主総会では、わかもと製薬に対し「実験動物の購入頭数の開示」を提案した。その真意をトップに直撃し、株主総会で予定している質問内容や、今後に向けた取り組みについても語ってもらった。

#3
有価証券運用の巧拙が銀行決算の明暗を分けている。静岡県の清水銀行が巨額の債券売却損で赤字に陥った一方、愛媛県の伊予銀行はヘッジなし外債のポジションを増やして巨額の売却益を計上した。市場環境が好転してもなお、評価損の処理が進まない運用下手な銀行はどこか。全105行の運用総合利回りランキングを作成し、利回りがマイナスに陥った3行を抽出した。

#2
金融政策が転換して市場金利が上昇に転じても、多くの地方銀行では利ざやの改善が進んでいない。その状況が反映された2024年3月期の最新決算を基に、全105行の本業利益率ランキングを作成した。22年3月期決算時に同じ条件で作成した順位と比較すると、赤字行が半数以下に減った一方、いまだ赤字に陥っている地銀にはある傾向が見られることも分かった。

#1
金利上昇に空前の株高が続き、国内銀行の外部環境は大きく改善した。ところが、2024年3月期決算を見ると、いまだに負の循環から抜け出せていない銀行も多くあることが分かる。そこで、収益力や効率性、市場評価の観点から五つの指標を設定し、全105行の総合ランキングを作成した。するとワースト5位以内のうち3行が同一県内の地方銀行となり、地域の特徴も顕著に表れた。

予告
銀行危険度ランキング2024!金利上昇&株高でも浮上できないグループを最新決算で徹底解明!
国内銀行の真価が問われる時代が到来した。2023年夏以降、国内金利は上昇局面に転じ、24年初頭には日経平均株価が史上最高値を更新。銀行業界にもようやく春が到来した。しかし、金利上昇によって大量の含み損を抱え、今もなお低収益体質から抜け出せない銀行も多い。そこで、全国105行の24年3月期決算をさまざまな指標からランキング。外部環境が好転しても浮上できない銀行をあぶり出す。

#9
野村證券は、ベースアップを入社3年目までの若手に限定した。ところが、実際には4年目以降の社員が“真の賃上げ”を享受している。背景には、事業モデル転換と並行して進めた人事戦略があり、中には前年からは考えられない超巨額のボーナスを手にする社員も。外資系金融社員ですらうらやむという今年の野村の賞与額と、それを可能にした評価テーブルの改定内容をお届けする。

#6
“リアル富裕層”6人が集結した匿名座談会の後編は、妻のエルメス浪費に足場節税失敗と、富裕層の悩みが噴出した。資産形成に余念がない富裕層は、船やウイスキーなどの趣味を資産形成にも生かしていることが分かった。

#5
純資産5億円超の富裕層6人で匿名座談会を実施した。国内では金利が上昇し、日経平均株価は史上最高値を更新する中、富裕層はどのように資産を運用しているのか。日本株、米国株から不動産、仮想通貨まで、百戦錬磨の富裕層が実践している資産形成術を激白してもらった。

個人情報保護委員会が3月26日、「個人情報の保護に関する法律についてのQ&A」(行政機関等編)を改正し、医療データ関係者の注目を集めている。改正の背景には、DeNAの医療データ問題もある。

#6
医療データの利活用の意義から個人情報保護法の問題、さらにはDeNA報道まで情報法制研究所(JILIS)副理事長の高木浩光氏に見解を聞いた。高木氏は「医療データを持っている組織に二次利用の監督能力を期待しても、無理がある」と述べ、DeNAの「医療データ目的外利用」報道で浮上した構造的な課題を指摘した。

#5
ディー・エヌ・エー(DeNA)が10年もの間抱えている課題が、ゲーム事業依存からの脱却だ。それを象徴するのが社長人事である。現在の社長兼CEO(最高経営責任者)は、横浜スタジアム社長や横浜DeNAベイスターズ社長を歴任した岡村信悟氏だ。そしてDeNA が、スポーツ事業以上に高い利益目標を掲げているのがヘルスケア・メディカル事業である。そこに訪れた「医療データ目的外利用」が、次期社長レースの波乱要因にもなっている。

#4
コンプガチャ問題にWELQ騒動と、世間を揺るがす社会問題を引き起こしてきたディー・エヌ・エー(DeNA)。WELQ騒動後も企業体質を変えられず、自治体の医療データを目的外に利用してしまったのはなぜか。3年前の契約書で突如削除された条文と、複数の元子会社社員による証言を基に問題の構造を分析すると、WELQ騒動の調査報告書で指摘されていた課題を依然払拭できていなかったことが判明した。

#3
DeNAが自治体から取得した医療データの目的外利用に違法性はあるのか――。ダイヤモンド編集部が入手した契約書を基に、医療データの個人情報保護に詳しい水町雅子弁護士に見解を聞いた。水町弁護士は「委託先は委託業務を超えて匿名加工情報を独自利用できない」と述べ、個人情報保護法に違反する可能性を指摘した。

#2
ディー・エヌ・エー(DeNA)はなぜ、医療データを目的外利用するに至ったのか。販売先の生命保険会社へのアプローチを調べると、その動機が見通せる。ダイヤモンド編集部が入手した実際の生保向け営業資料を基に、医療データの取得過程に無理が生じた原因を解明する。

#1
ディー・エヌ・エー(DeNA)の子会社が自治体から取得した医療データについて、「製薬会社や保険会社に有償で提供した」と自治体に説明していることが分かった。DeNAはこれまで目的外利用の疑惑を否定していたが、自治体に対しては有償提供の事実を一転して認めた形だ。ダイヤモンド編集部は情報公開請求でDeNAと自治体の契約書を入手し、疑惑を検証した。

予告
DeNA「医療データ乱用」問題、目的外利用が起きた“構造”を徹底解明【内部資料多数入手】
コンプガチャ問題にWELQ騒動と、数々の社会問題を引き起こしてきたディー・エヌ・エー(DeNA)。金目の新領域に飛び付き、モラル面に問題のある企業体質は不変だ。2023年12月18日、ダイヤモンド編集部はDeNAの医療データ「目的外利用」疑惑を報じた。その後、自治体への取材で分かったのは、目的外利用は疑惑ではなく事実ということだ。開示した契約書については、個人情報保護が専門の弁護士から違法の可能性も指摘されている。DeNAの「医療データ乱用」で浮き彫りになった構造問題と、今後、医療データの利活用が適切に推進されるための処方箋を提示する。

1月19日、全国トップ地方銀行の横浜銀行が、初任給を26万円へと4万円引き上げる方針を固めた。現時点では静観する地銀も、いよいよ本格化した初任給引き上げラッシュ「第2弾」に今後追随する公算が大きい。

番外編
貸出金利の上昇により銀行が利益を得る裏で、事業会社の負担は増す。特に有利子負債が大きい企業ほど、金利上昇時の負担額は跳ね上がることになる。その衝撃度をランキングにした。

#12
金利上昇もどこ吹く風、愛知県では“名古屋金利”と称されるほどの熾烈な低金利競争が続いている。そんな金融激戦区で、愛知銀行&中京銀行の統合に次ぐ再編機運が加速している。名古屋銀行の頭取人事をひもとくと、その正体が浮かび上がった。

#11
日本銀行の政策金利は、四半世紀に渡りゼロ近辺で推移してきた。ようやく金利のある世界も見えてきたが、そのとき、企業への貸出金利はどう上がっていくのか。超基本のメカニズムと変動要因を解説する。
