DeNA 医療データ乱用#2Photo:PIXTA

ディー・エヌ・エー(DeNA)はなぜ、医療データを目的外利用するに至ったのか。販売先の生命保険会社へのアプローチを調べると、その動機が見通せる。特集『DeNA 医療データ乱用』(全6回)の#2では、ダイヤモンド編集部が入手した実際の生保向け営業資料を基に、医療データの取得過程に無理が生じた原因を解明する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)

生保に営業をかけていたDeNA
データの強みと「目的外利用」の関係は?

 ダイヤモンド編集部が2023年12月18日に配信した『【スクープ】DeNAが医療データ「目的外利用」の疑惑浮上!提供自治体が調査へ』でざわついたのは、医療データを提供した自治体だけではない。データの販売先である生命保険会社も、報道当日に幹部の緊急ミーティングが開かれるなど慌ただしい一日となった。

 実は生保にとって、ディー・エヌ・エー(DeNA)は身近な存在だ。DeNAが医療データの新たな販売先として開拓を試みていたのが生保だったからだ。

 DeNAが生保向けのセミナーを本格化させたのは22年ごろからだ。その後、23年に作成されたDeNAの内部資料には、自社のデータベースについて「製薬向け、今秋より同等の規模を生保向けにも展開予定」と記載されている。実際、23年秋ごろに生保各社への営業を加速させている。

 つまり12月の報道は、生保各社にとってDeNAの医療データ購入が現実味を帯びていた時期での出来事だったのだ。

 では、DeNAは自社の医療データベースの強みを生保にどう説明していたのか。次ページでは、ダイヤモンド編集部が入手した実際の営業資料と複数の生保幹部への取材を基に、DeNAが医療データの取得から販売に至るまでの意思決定で何を重視していたのかを検証する。すると、医療データの目的外利用の動機付けとなる原因が浮かび上がった。