コンプガチャ問題にWELQ騒動と、数々の社会問題を引き起こしてきたディー・エヌ・エー(DeNA)。金目の新領域に飛び付き、モラル面に問題のある企業体質は不変だ。2023年12月18日、ダイヤモンド編集部はDeNAの医療データ「目的外利用」疑惑を報じた。その後、自治体への取材で分かったのは、目的外利用は疑惑ではなく事実ということだ。開示した契約書については、弁護士から違法の可能性も指摘されている。特集『DeNA 医療データ乱用』では、2月28日(水)から3月11日(月)までの全6回で、DeNAのモラルに欠ける行動で浮き彫りになった業界の構造問題と、今後、医療データの利活用が適切に推進されるための処方箋を提示する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
#1 2月28日(水)配信
【スクープ】DeNAが医療データの「第三者への有償提供」を提供自治体に認める!目的外利用で個人情報保護法違反か
ディー・エヌ・エー(DeNA)の子会社が自治体から取得した医療データについて、「製薬会社や保険会社に有償で提供した」と自治体に説明していることが分かった。DeNAはこれまで目的外利用の疑惑を否定していたが、自治体に対しては有償提供の事実を一転して認めた形だ。ダイヤモンド編集部は情報公開請求でDeNAと自治体の契約書を入手し、疑惑を検証した。
#2 2月29日(木)配信
【内部資料入手】DeNAが「自治体の医療データ」を生保にモーレツ営業!営業資料に透ける不正の動機とは?
DeNAグループの医療データベースについて、DeNAから実際に営業を受けた複数の生命保険会社の幹部は「取得のプロセスが適切であれば画期的だった」と口をそろえる。ダイヤモンド編集部が入手した実際の営業資料を基に、自治体の医療データに企業が群がる理由と、不正の動機を解明する。
#3 3月1日(金)配信
DeNAの医療データ有償提供は「個人情報保護法違反」か?専門家が指摘する違法性とは
DeNAが自治体から取得した医療データの目的外利用に違法性はあるのか――。ダイヤモンド編集部が入手した契約書を基に、医療データの個人情報保護に詳しい水町雅子弁護士に見解を聞いた。水町弁護士は「委託先は委託業務を超えて匿名加工情報を独自利用できない」と述べ、個人情報保護法に違反する可能性を指摘した。
#4 3月5日(火)配信
「WELQ騒動」後もDeNAの企業体質に変化なし、医療データ目的外利用との共通点
コンプガチャ問題にWELQ騒動と、世間を揺るがす社会問題を引き起こしてきたDeNA。WELQ騒動後も企業体質を変えられず、自治体の医療データを目的外に利用してしまったのはなぜか。3年前の自治体との契約書で突如削除された条文と、複数の元子会社社員による証言を基に問題の構造を分析すると、WELQ騒動の調査報告書で指摘されていた課題を依然払拭できていなかったことが判明した。
#5 3月7日(木)配信
DeNAの次期社長レースに波乱?「医療データ目的外利用」でヘルスケア路線に暗雲!
DeNAの数年来の課題が、ゲーム事業依存からの脱却だ。それを象徴するのが社長人事である。現在の社長兼CEO(最高経営責任者)は、横浜スタジアム社長や横浜DeNAベイスターズ社長を歴任した岡村信悟氏だ。そして、DeNA がスポーツ事業以上に高い利益目標を掲げているのがヘルスケア・メディカル事業である。そこに訪れた「医療データ目的外利用」が、次期社長レースの波乱要因にもなっている。
#6 3月11日(月)配信
DeNA報道をどう見る?専門家が見た「医療データ利活用」の新たな課題、個人情報の基本も超解説!
医療データの利活用はなぜ重要なのか。日本で利活用推進の壁になっている正体は何か。さらに、DeNAの「医療データ目的外利用」の報道で浮き彫りになった課題について、情報法制研究所(JILIS)副理事長の高木浩光氏に聞いた。
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